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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】シーズン見据えいい準備を

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巻き返しを期すヤクルトの高津監督=マツダスタジアム(撮影・松永渉平)
巻き返しを期すヤクルトの高津監督=マツダスタジアム(撮影・松永渉平)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、プロ野球の開幕が当初の3月20日から延期された。いつ始まるかの見通しは、まだ立っていない。23日に開かれたプロ野球、Jリーグの対策連絡会議では、専門家チームが「早期の開始は非常に難しい」と提言した。感染が収束に向かい、一日も早く生活の中にプロ野球が存在する“日常”が戻ってくることを願っている。

 そういう状況だが、シーズンが始まるにあたって、選手が意識すべきことを語りたい。まずは、プレー中のけがのリスクを徹底して避けることだ。「無事之名馬」との言葉もある。序盤戦はとにかく、故障しないことが大切だ。

 たとえば、外野の守備。フェンス際の飛球にどう対処するか。少し無理をしてでもノーバウンドでの捕球を狙うのか、それとも無理はしないのか-を自問自答するときがある。

 けがにつながる無謀なプレーは避ける。もちろん、怠慢プレーとは違う。たとえ二塁打を許し、失点を喫しても、後の攻撃で挽回できる。しかし、やみくもに打球を追ってフェンスに激突したらどうか。けがで何試合も欠場しなければならなくなるかもしれない。すると、チームに大きな迷惑がかかる。選手はシーズン全体を見据え、トータルで物事を考えるべきだ。主力なら、なおさら。そこから、適切なプレーを選択するのだ。

 シーズン初めは、自身の調子の波も気になる。誰でも早く好調に持っていきたいものだが、僕は現役時代、開幕直後は調子が上がらない「スロースターター」だった。春先は毎年のように、ひどい花粉症に悩まされていたことも大きな要因だ。

 中日でレギュラーをつかもうとしていたプロ3年目のこと。オープン戦で花粉症の激しい症状に見舞われた。打撃不振で打率は1割台前半。開幕戦はベンチスタートで、監督に起用してもらえなかった。

 ドーム球場じゃなかったから、グラウンドには大量の花粉が舞っていた。当時は花粉症という言葉も使われていなかった。診断はアレルギー性鼻炎。世間的な認知度も低く、今のように治療法や対処法も広まっていなかった。目のかゆみは収まらないし、夜も絶え間なく鼻水が出る。熟睡できない日々が4月中旬まで続いた。苦い思い出だ。

 ともあれ、選手もチームもうまく開幕ダッシュしたいもの。ことに前シーズンで低迷したチームはそうだろう。昨季、借金23でセ・リーグ最下位となったヤクルトの首脳陣は「(開幕月に)貯金できるように頑張ります」と話していた。

 新型コロナウイルスという見えない敵を打ち払えるのがいつになるのか分からず、選手も不安だろう。だが、気を緩めることなくいい準備を続けてほしい。

(野球評論家)

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