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【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】さすが巨人、やっぱり阪神…「風評被害」防ぐのは、掛布氏しかいない

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キャンプで掛布雅之氏からアドバイスを受ける鳥谷敬=2015年(撮影・中島信生)
キャンプで掛布雅之氏からアドバイスを受ける鳥谷敬=2015年(撮影・中島信生)

 もはや鳥谷救済は掛布雅之「HANSHIN・LEGEND・TELLER」(64)に頼むしかない…という声がプロ野球キャンプ地の沖縄で聞こえてきます。今週の27日には12球団全てで春季キャンプが打ち上げられます。昨季限りで阪神を退団し、他球団への移籍を模索していた鳥谷敬内野手(38)は結局どの球団にも入団できず、今後の人生設計をどうするのか…大きな岐路に立たされています。そうした状況下、鳥谷と阪神球団のもつれた糸をほぐすのは、レジェンド掛布氏しかいないのでは?という声が出ているのです。背景には巨人・阿部2軍監督の姿があるようですね。

荒くなる一方の指揮官の鼻息

 いよいよ今週の木曜日となる27日にはプロ野球12球団全てが春季キャンプを打ち上げます。沖縄で1軍、高知・安芸で2軍のキャンプを張っていた阪神も26日に打ち上げを迎えます。プロ野球は本格的なオープン戦の期間を迎え、3月20日のシーズン開幕に向けて最終調整に入るわけです。

 矢野監督は「今年は絶対にリーグ優勝をするものだと思っている」と話し、テレビ番組では臨時コーチを務めた山本昌氏との対談で「普通でも日本一になるけれども、もし晋太郎(藤浪)が戻ってきたら、ぶっちぎりの日本一になる」とまで言い切りました。

 新外国人野手のボーアとサンズ、新外国人投手のガンケルにエドワーズ、スアレスが予想以上の実力をキャンプで見せたことで、指揮官の鼻息は荒くなる一方です。阪神ファンは「ホンマかな?」と思う半面で「監督がそこまで言うなら今年こそ…」と、これまた鼻息が荒くなるのは仕方ないですね。

 そんなこんなで球春が深まる中、キャンプ地・沖縄の各球団を巡っていると決まって聞かれることがありますね。

 「鳥谷はどないしてるの?」

 そして鳥谷退団から現在までの経緯を説明すると、プロ野球OBら関係者が決まって口にするのは「それはもう阪神のOBが誰か間に入って球団との関係を修復するしかないよ」と語り、適任者として必ず出てくる名前こそ「掛布雅之さん」なのです。

 ある意味、なるほど…とは思いますね。

声かけにくい“けんか別れ”

 鳥谷は昨季限りで阪神を退団しました。2003年のドラフト会議の自由獲得枠で入団し、阪神一筋16シーズン。1軍公式戦1939試合連続出場や13シーズン連続全試合出場はいずれもプロ野球歴代2位です。通算2085安打を放ち、遊撃手、三塁手としてゴールデングラブ賞5回。タイガースの至宝だったわけですが、昨季のシーズン中、阪神球団首脳からの「今季限りでユニホームを脱いでいただきたい」という引退勧告を受け、それをはねつけました。

 「他球団でプレーします」と球団側に伝え、引退試合も拒否。それから他球団への移籍を目指したわけですが、2月下旬を迎えるこの時期に至るまで、移籍先は見つかっていませんね。今季のNPBでのプレーは絶望的です。

 こうした状況下、阪神球団関係者はどのように見ているか。ある球団幹部は「鳥谷はどないするんやろ。ウチが年俸4億円の5年契約だったからお金は持っているやろ。でも、まだ38歳やろ。先は長いで。何かしないと暇で仕方ないやろに…」と話しました。つまり心配はしているが、どこか球団と鳥谷の間の距離感を感じる言葉です。

 阪神球団とすれば引退試合を提案し、その後の野球人生についても球団としての長期ビジョンがあったはずです。それを鳥谷が全て拒否した形で“けんか別れ”となってしまったので、球団から鳥谷には声をかけにくい状況なのでしょう。心情は分かりますね。

 阪神球団と鳥谷の間にできた溝…。冷たい表現をするならば、それは鳥谷が選択した道で、自業自得といえるかもしれません。しかし、プロ野球界のOBたちが「なんとかしてやれよ…」と言うのは、ライバル球団の巨人を見るからですね。

さすが巨人、やっぱり阪神

 巨人も2000年ドラフト1位(逆指名)の阿部慎之助(40)が昨季限りで現役を引退。今季から2軍監督に就任しました。現役時代は捕手として8度のリーグ優勝と3度の日本一に貢献しました。19シーズンで2132安打、406本塁打、1285打点。首位打者1回、打点王1回という輝かしい成績を残してユニホームを脱いだのです。まさに現役生活の潮時は、鳥谷と同じ時期に迎えたのかもしれませんね。

 阿部2軍監督は原監督の下、将来の監督を目指して指導者の道を歩み始めたのですが、早くも育成のモタを1軍に送り出すなど手腕を発揮し始めています。チーム生え抜きで実績を積んだ選手が、そのまま球団の指導者として成長していく様は理想形ですね。鳥谷がさまよう阪神とは大きな格差を感じてしまいます。

 阪神以外のプロ野球OBたちが指摘するのは、ソコなのです。「阿部の姿を見ていると、さすが巨人だな…と思う。でも、一方の鳥谷を見ると『やっぱり阪神やな』と思ってしまう」と語る球界関係者がいましたね。

 では、鳥谷に阪神球団と“和解”させ、タイガースで将来の指導者としての道を歩ませる方策はないのか…。そこに登場するのが掛布雅之氏だというわけです。

 掛布氏は昨季限りで阪神球団のシニア・エグゼクティブ・アドバイザー(SEA)としての契約が満了し、球団を退団しました。ところが、阪神の大物OBや関西財界からの「掛布氏の存在をどうお考えか? チームの宝を手放すなど考えられない」という強い声が藤原崇起オーナーの耳に届いたところから、新しい流れが生まれました。今度は阪神電鉄本社が新設した特別職に就くことになったのです。それが「HANSHIN・LEGEND・TELLER」という新ポストですね。

 掛布氏が新ポストに就いた背景のひとつには当時、阪神での引退を拒否した鳥谷の動きも絡んでいたでしょう。「鳥谷の処遇はあまりにも冷たい。阪神は生え抜きの人たちを大事にしない」という風評があったことも、掛布氏を再雇用した理由のひとつだ-という関係者がいます。そうであるならば、掛布氏にはなおさら鳥谷を“救済”する責務があるのかもしれませんね。

 「このまま鳥谷を放っておいたら、まるでセメントが固まるように阪神球団との間も疎遠になってしまい、修復にはさらに時間がかかる。修復するのなら早く手を施した方がいい。両者をつなげることができるのはOBだろう。掛布さんか鳥谷の大学(早大)の先輩にあたる岡田彰布さんしかいないのではないか」

 球界にはこうした声が噴出しています。

 もうシーズン開幕まで1カ月を切りました。戦いが始まれば、さらに鳥谷敬の名前は歴史の中に埋没するでしょう。阪神はそれでいいのでしょうか…と球界は問うているようですね。

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや)

 1990(平成2)年入社。サンケイスポーツ記者として阪神担当一筋。運動部長、局次長、編集局長、サンスポ特別記者、サンスポ代表補佐を経て産経新聞特別記者。阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。ラジオ大阪(OBC)の金曜日午後9時から「NEWS TONIGHT いいおとな」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/iiotona/caster.html)の『今日の虎コーナー』や土曜日午後7時45分からの「まさと・越後屋のスポーツ捕物帳!」(http://www.obc1314.co.jp/bangumi/okini/)に出演中。「サンスポ・コースNAVI」(http://www.sanspo.com/golf/tokushu/golf-t24944.html)ではゴルフ場紹介を掲載、デジタルでも好評配信中。

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