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【鬼筆のスポ魂】山本昌氏、どうせ指導するなら正式なコーチで

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阪神の春季キャンプで藤浪(右)らを指導した臨時コーチの山本氏(松永渉平撮影)
阪神の春季キャンプで藤浪(右)らを指導した臨時コーチの山本氏(松永渉平撮影)

 「臨時コーチ」という立場の難しさを痛感させられたのかもしれない。阪神は沖縄・宜野座で春季キャンプを行っているが、臨時コーチを務めていた山本昌氏(54)の指導が16日に予定された日程を終えた。

 「初めてプロの選手にコーチという肩書でやらせてもらいましたけど、僕自身が勉強する機会が多かった。1人1人の成果が出るとうれしいな」と話す山本氏。最終日の帰りの車に乗り込む際には、藤浪や望月らが並んで一礼。感謝の気持ちを表していた。

 中日一筋で通算219勝。50歳までマウンドに立ち続けた球界のレジェンドの指導は、選手たちに好評だった。右打者の頭部付近に投球がスッポ抜けるなど制球難に苦しむ藤浪に対しては、右手首を立てることやチェンジアップの効用を説いた。練習試合やシート打撃に登板した藤浪の投球には、昨季よりも“まとまり”が出ていた。テレビ出演で矢野監督と対談した際には「70%ぐらい戻っている。80%戻れば2ケタ勝てる」とも。指揮官も藤浪の表情に明るさが戻ったことを喜んでいた。

 ところが、物事には常に表もあれば裏もあるというか…。阪神のキャンプ地から車で約30分の北谷で春季キャンプを行う中日では、球団関係者がこんなことを話していた。

 「マサが阪神で指導して高橋遥人の調子がおかしくなった…って聞いたよ。カーブを教えたら直球がスッポ抜けるようになったんだって」

 昨秋のキャンプから山本氏は成長株の左腕、高橋に対してカーブの握りを教えていた。春季キャンプでも継続的に指導していたが、調子を落とした時期があった。ある意味、想定内だと思うが、古巣の中日では“山本昌の指導で投手がダメになった”という悪意に満ちた?噂話が流れていた。球団の大物OBが他球団、しかも阪神の臨時コーチとして溌剌(はつらつ)と指導しているのが面白くない側面もあるのだろう。

 また、阪神球団の周辺にも「あれはどやねん」という声がよく聞こえてきた。ある阪神OBは指摘した。

 「普通、臨時コーチというのは選手のことで気がついたことがあれば担当コーチに言う。それを担当コーチが自分の責任において選手に伝えるかどうか…を決める。ところが、山本昌の指導は福原や金村らコーチの了解を得ないまま自由にやっているように見えた。シーズンでの成績の責任は福原と金村の両コーチにいくわけで、山本昌にはいかない。それっておかしくないか?」

 たとえ矢野監督ら球団側の了解事項だったとはいえ、シーズン成績の結果責任を取らない臨時コーチが主体的立場で指導するのはどうなのか…という見解だ。確かに今季の阪神投手陣が崩れたならば「誰がキャンプで教えていたのか」という話になるだろう。

 いくら選手たちに好評でも、プロ野球は結果が全てだ。出てきた成績によって指導者のスキルも評価される。山本氏はキャンプ地を離れる際にこうも話していた。「これからも何か相談があれば話を聞きたい」-。さまざまな雑音やネガティブな見方をされる「臨時コーチ」の肩書。本人に継続指導の意欲があるのなら、正式な投手コーチ就任を今からでも要請してみたらどうだろう。その方が全てにスッキリする。

(特別記者 植村徹也)

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