PR

【鬼筆のスポ魂】球春到来、今季の阪神の成績を左右するのは、あの右腕の復活次第 植村徹也

PR

合同自主トレで投げ込む阪神の藤浪(甘利慈撮影)
合同自主トレで投げ込む阪神の藤浪(甘利慈撮影)

 プロ野球の春季キャンプがあす2月1日、12球団一斉にスタートする。今シーズンは東京五輪開催のため開幕が3月20日と例年よりも10日近く早くなった。例年以上に開幕ダッシュが重要な鍵となる中で、各球団ともにキャンプの調整は早くなるだろう。

 2年目を迎えた矢野阪神も1軍は沖縄・宜野座、2軍は高知・安芸でキャプイン。2005年以来、15年ぶりのリーグ優勝を果たすことができるのか。キャンプ注目の的は球団史上初の外国人8人体制だ。新外国人としてボーア、サンズの大砲候補2人と先発候補のガンケル、リリーフのエドワーズ、スアレスを獲得した。残留したマルテ、ガルシア、呂彦青(ルイェンチン)と合わせて総勢8人。1軍の外国人枠は4人(投手または野手として同時に登録できるのは3人まで)なので、外国人同士の1軍枠争奪戦が見どころとなる。

 矢野監督は「外国人同士で競い合ってほしい。(シーズンで)どう起用するかはまだ決めていない」と話していて、キャンプ、オープン戦で結果を残した選手を戦力として計算し、外国人枠を定めていく方向のようだ。

 では、総勢8人の外国人選手の“当たり外れ”が阪神のV確率を決めるのか。キャンプ直前に聞いた球団関係者や阪神OBらの意見は違う。異口同音に話すポイントはたった一人だ。

 「阪神が優勝できるかどうかは晋太郎次第や」

 晋太郎とは、今季でプロ8年目を迎える25歳の藤浪晋太郎のことだ。プロ入り3年目まで連続2桁勝利を飾り、16年の年俸は1億7000万円に(金額はすべて推定)。ところが17年以降は制球難に苦しみ、昨季の1軍登板は8月1日の中日戦(甲子園)の1試合だけ。4回1/3を4安打1失点も8四死球で降板し、プロ7年目で初めて0勝に終わった。オフの契約更改で年俸も6300万円にまで下がった。

 藤浪は「ここ数年はずっと成績が出ていない。勝負の年ですし、あとがない。結果、数字を出すしかない」と悲壮な決意を語り、1月28日に沖縄入り。今年もダメならトレードやクビもある…とまで周囲に語っている。

 昨秋のキャンプでは山本昌臨時コーチに「リリースの際、右手首を立てなさい」と指導を受け、チェンジアップの効用を説かれた。オフには米トレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」の特殊な器具を使って動作解析を行い、右打者の頭部付近に投球がスッポ抜ける“悪癖”の是正に躍起となっていた。

 自主トレでは連日のブルペン入りで最速152キロを計測するなど球威は相変わらず他を圧倒している。果たして、右打者が打席に入った実戦でブルペン同様に右腕が振り切れるか。たとえ1球のスッポ抜けがあっても動揺することなく、マウンド上で自分自身と闘うような様子が見受けられなくなれば、精神的に克服したと判断できる。

 藤浪が普通の実力を出せるなら、2桁勝利は計算できる。となれば、阪神投手陣には西勇輝と並ぶ先発の柱が誕生する。「V確率は一気に上がる」と球団関係者やOBたちは話した。しかし、昨季と同じような姿なら、メッセンジャーの引退で駒不足となった先発投手陣はシーズンを乗り切れるのか、心配だ。

 藤浪が右打者の立つ実戦で登板するのは7日からの第2クールのシート打撃や紅白戦あたりだろう。マウンド上の姿が今季の矢野阪神を大きく左右する。(特別記者)

この記事を共有する

おすすめ情報