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【大阪国際女子マラソン】「自分の作ったコースで記録を突破して」 コース計測員の松川良紀さん

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国際道路コース計測員として多くのマラソン大会の計測をしている松川良紀さん=昨年12月、大阪府枚方市(南雲都撮影)
国際道路コース計測員として多くのマラソン大会の計測をしている松川良紀さん=昨年12月、大阪府枚方市(南雲都撮影)

 東京五輪の代表切符の行方にも注目が集まる「第39回大阪国際女子マラソン」。大会を裏で支える人たちの存在も忘れてはならない。ヤンマースタジアム長居(大阪市東住吉区)を発着点とする42・195キロのコース計測を行っているのが、国内にわずか4人の「国際道路コース計測員A級」の資格を持つ松川良紀さん(63)だ。2011年には計測員の知識を生かして大阪国際のコース変更にも協力。今大会は自ら設定したコースから東京五輪への道が開ける可能性もあるだけに、目前に迫ったレースに心を躍らせている。(宇山友明)

 「42・195キロを正確に計測しないとランナーはスタートを切れない。それだけに大きな責任を感じている」。これまで国内で100を超える大会で計測に携わってきた役割の重要性を説く。

 世界陸連が認定するA級は、五輪や世界選手権の計測も担当できる国際ライセンス。世界にも88人しかおらず、高度な計測技術やマラソンへの深い理解が求められる。

 計測時もA級取得者が現場リーダーとなり、他の計測員2人と計測器を取り付けた自転車3台で一列に走行。直線では路肩から30センチ離れたところを進み、左右のカーブは縁石から30センチ以内の最短ルートを走る。5時間を費やすこともあり、体力と集中力が求められる。心身ともに過酷を極めるが、それでも「マラソンの根幹を支えられているという喜びもある」と笑顔をみせる。

 自身は中学時代に陸上部に所属。3年のときに出場した三重県大会の2000メートル走で1984年ロサンゼルス五輪男子マラソン代表の瀬古利彦さんに実力の違いを見せつけられ、卒業とともに競技は断念した。

 大学卒業後は数学教師として大阪府内の中学校に着任し、空きのあった陸上部の顧問を任されたことが転機になった。図や表を使って細かく記していた練習日誌が知り合いの陸上関係者の目に留まり、計測の道に誘われた。

 「家系的に建築や製造をなりわいにしていることもあってか、数学を生かして地道に行う計測作業に引き込まれた」。1994年には計測員の資格を取得。A級に昇格してからは国内の第一人者として全国のマラソン大会を走り回ってきた。とくに思い出深いのが24年前からコースを見守ってきた大阪国際だ。2011年の第30回大会の節目で変更が決まったコースのルート選定にも意見を述べ、よりアップダウンが少なく、記録が出やすいコースを作り上げただけに「自分の作ったコースという気持ちがやっぱりある」と語る。

 計測員歴は27年になる。計測技術と体力の向上にも余念がなく、週3回は10キロのランニングを行い、自転車での通勤時には最短ルートを走行。直線走行の技術を磨くために白線上を自転車で走り続けることもある。そこまで情熱を傾けるのは「魅力的なコースを作って陸上競技を盛り上げていきたいから」。

 今回の大阪国際で日本陸連が定めた2時間22分22秒の設定記録を突破した選手は東京五輪代表に大きく近づくことができるだけに“マラソン界の職人”の期待も高まる。「自分の作ったコースで記録を突破して五輪切符をつかんでほしい」

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