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【野球がぜんぶ教えてくれた 田尾安志】指導者の良しあしが選手の将来を決める

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プロ野球12球団合同トライアウトには、大勢の観客も詰めかけている(撮影・二星昭子)
プロ野球12球団合同トライアウトには、大勢の観客も詰めかけている(撮影・二星昭子)

 僕がゼネラルマネジャー(GM)を務める沖縄初のプロ野球球団、琉球ブルーオーシャンズに所属する選手と監督、コーチのお披露目会が17日にあった。アマチュア選手を対象にしたトライアウトを先月6日に実施。180人を超える応募者の中から、書類選考と実技テストを経て19人が合格した。会では、日本野球機構(NPB)出身の9選手をあわせた計28人がファンに熱い応援をお願いした。

 合格した一人が、沖縄県浦添市出身の中日・又吉克樹投手の弟、亮文投手(前香川=四国IL)。NPB入りの可能性もあったが、ドラフト会議での指名漏れが続いていた。琉球でレベルアップし、兄の背中を追いかけてほしい。

 惜しい人材もいた。初登板ノーヒットノーランの偉業を達成した中日の近藤真市氏の息子の弘基外野手。今季限りで中日を戦力外となり、11月にNPBのトライアウトを受けていた。琉球で獲得できたらと思っていたが、2軍サブマネジャーとして中日と契約したと聞いた。生活が安定しているし、良かったと思う半面、琉球で技術を磨けば再びNPBでプレーできる可能性があると感じていた。

 バットにボールを当てたり、遠くに飛ばしたりする能力はそこそこあっても、NPBに定着できる選手は限られている。ドラフト会議で指名された選手の大半は短い期間、少ないチャンスで評価され、結果が出なければ切られる。

 琉球に入団した選手に限らず、NPBの球団を退団していく選手の中には、環境が違えば実力が開花してもおかしくない選手が大勢いる。技術を身につけられないまま、ユニホームを脱ぐ選手を救う点で、琉球のような球団ができるのはいいことだ。選手が覚醒するチャンスが増える。僕もGMという立場だが、選手を指導してあげたいし、しっかりとした技術を授けられる指導者を育てたい。

 一方で、NPBの各球団は優秀な指導者の獲得に、もっと注力すべきだ。2軍のコーチが育成のノウハウを十分に持ち合わせていなければ、選手の成長は遅くなる。大金をかけてドラフトで獲得した有望株を台無しにしてしまうことだってある。「仲のいい友達だから」とか「安く獲得できるから」といった安易な考えでコーチ陣を選ぶと、球団に大きな損失を招く。選手にお金をかけるのも大事だが、指導者こそ資金や労力を惜しまず、よく見極めて獲得しなければならない。

(野球評論家)

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