東京オリンピックまであと

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Go For TOKYO 楢崎智亜 クライミング複合

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東京五輪
クライミング複合

ならさき ともあ

楢崎智亜

直線
スキップ
一気完登

東京五輪で新たに実施競技となったスポーツクライミングは、3種目の複合で実施される。日本は、2018年のワールドカップ(W杯)国別ランキングでボルダリングが1位、リードが2位とトップレベルだが、スピードは14位。弱点克服に向けて注目されているのが日本勢で初めて世界選手権複合を制し、五輪代表に決まった楢崎が編み出した「智亜スキップ」だ。

楢崎智亜 ならさき・ともあ

1996年6月22日生まれ。栃木県出身、TEAM au所属。170センチ、60㌔。

身体能力が極めて高く「フィジカルモンスター」の異名を持つ。スポーツクライミングにおいて重要な柔軟性は幼少期に体操で培った。得意のボルダリングでは、周囲を驚かせる柔軟な発想力に加え、体を自在に操る「コーディネーション能力」で数々の難課題をクリアしてきた。

新競技
クライミング複合

東京五輪では3種目の総合ポイントを競う「複合(コンバインド)」が実施される。

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成績は各種目での順位を掛け算し、総合ポイントが小さいほど上位となる。

スピードの
タイム短縮

智亜
スキップ

スタート直後、壁の左側にある下から4番目のハンドホールド(突起物)と下から3番目のフットホールドを使わずに、一気に5番目のハンドホールドへ飛びついて直線的に登る―。2018年行われた代表合宿で考案した動きが「智亜スキップ」だ。

「智亜スキップ」は日本代表のスピード担当の水村信二コーチによると、左側に体を移動する動きが省け0.2~0.3秒のタイム短縮につながる。スピードが課題だった楢崎が東京五輪で金メダルを獲得するための〝飛び道具〟だ。

これまでスピードのW杯などはスピード専門の選手が出場し、登り方もほぼ固定されていた。そこに東京五輪で複合の実施が決まり、ボルダリングやリードの選手も参戦するようになった。ボルダリングを主戦場としていた楢崎もそんな一人だ。

クライミング世界選手権=2019年8月

ローリスク
ハイリターン

ボルダリングには、1つのホールドに両手と片足を置きつつ、手足を同時に動かし、次のホールドに飛びつく課題がある。スピードでも同様の動きを用いて跳び越えた方が効率がよい―。左に移動する動作が省けた「智亜スキップ」は「ローリスクハイリターン」の動きだ。

水村コーチは「走り高跳びの主流の跳び方が『ベリーロール』から『背面跳び』に変わったくらい、スピード種目では革命的な動き」と評する。

一方、失敗すればホールドをつかみ損ねたり、足を踏み外したりするリスクもあり、「全身の力を使うタイミングと正確さが重要」とも指摘する。

クライミング世界選手権スピード
=2019年8月

世界と勝負
さらなる進化へ

2018年7月のW杯シャモニー大会で6秒970だった楢崎のタイムは、同年8月のジャカルタ・アジア大会でスキップを初披露して以降、着実に縮めており、19年8月21日の世界選手権で自身の日本記録を更新する6秒159をマークした。

このタイムは、複合に出場する選手の中ではトップクラス。最近では海外の強豪選手も取り入れ始めているが、ホールドを持つ手の位置を変えるなど、「智亜スキップ」をさらに進化させて一層のタイム短縮を狙う。

クライミング世界選手権スピード
=2019年8月

世界のライバル

※順位は2019年世界選手権単種目

日本人向き
女子もトライ

「智亜スキップ」は日本の女子選手にも浸透しつつある。いち早くマスターしたのは野中生萌(みほう)。昨年7月のW杯ビラール大会で日本記録となる8秒432(当時)をマークして決勝トーナメントに進んだ。

左から2位の野中生萌、楢崎智亜、優勝の野口啓代=W杯八王子大会2018表彰式

選手自ら
資金募る

これまで不足していたスピードの施設の整備も進む。2017年春、東京都昭島市に国際規格を満たす競技用壁が完成。鳥取県や岩手県など全国でも増えてきた。選手自らが練習環境を整える動きもあり、野中はクラウドファンディングで民間から資金を集め、壁を設置。野口啓代(あきよ)も茨城県内の自宅近くに専用壁を造り、練習に励む。

「世界のレベルが上がっており、五輪で上位に食い込むにはより速いタイムが必要」と水村コーチ。メダル獲得に向け、さらなる強化が不可欠となっている。

「スピード」に
革命をもたらした楢崎

そり立つ壁の
初代覇者へ

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