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香りで眠りを改善 快眠効果を実証 久留米大研究グループ

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快眠効果があるとされる「ベチバー香」
快眠効果があるとされる「ベチバー香」
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 久留米大学(福岡県久留米市)の内村直尚学長(医学部教授)らの研究グループは、同市の香(こう)製造・販売会社「天年堂」と消臭剤メーカー「アカル」が共同開発した香に不眠症状を改善する効果があることを実証した。新製品は「ベチバー香」として天年堂が昨年末に発売した。睡眠薬に頼らず、香りによる眠りの改善は、不眠に悩む人たちにとって朗報になりそうだ。(永尾和夫)

 ■お香メーカーと共同で

 久留米大学医学部は昭和56年に国内初の睡眠障害の外来を開設するなど、睡眠障害の治療にいち早く取り組んでおり、内村教授は睡眠研究の第一人者。一方、天年堂は初代久留米藩主、有馬豊氏公が400年前に同地に入封した際に同行してきた老舗で、明治時代から香の製造・販売を続けている。

 新製品は、天年堂が平成30年度に福岡県新製品・新技術創出研究開発支援事業の一環として「良質な睡眠を導くお香の開発」の委託を受けたのがきっかけで、香草のベチバーを消臭剤として使ってきた「アカル」から原料の提供を受け、さまざまな香を試作。ベチバーを主体に香木の白檀(びゃくだん)を配合した「ベチバー香」を開発した。この香が睡眠に及ぼす影響について、同医学部睡眠研究室が客観的なデータを基に検証をした。

 ベチバーはインド原産のイネ科の多年生草本で、抗菌、安眠、鎮静などのほか、強い消臭効果があるとされ、シャネル5番にも使われている。白檀はインド原産の熱帯性常緑樹で、抗うつ、鎮静などの薬理作用があるとされ、さわやかで甘い芳香の香料だ。

 ■眠りに入る時間早く

 睡眠研究室の被験者は20歳代から50歳の男女8人。2日間にわたって就寝前に香を20分間たき、8時間の睡眠をとってもらった。就寝中は終夜睡眠ポリグラフ検査のセンサーで脳波、眼球運動、心電図、呼吸などを記録し、香をたかなかった場合と比較した。

 その結果、眠りに入る時間が約10分早くなり、就寝中の覚醒時間が約10分少なくなった。つまり、合わせて20分間、総睡眠時間が長くなっていた。また、被験者へのアンケートでも不眠が改善されたことが自覚されたという。検証結果は昨年11月のアロマ専門誌「アロマ リサーチ」に掲載された。

 内村教授は「睡眠の質や量は、自分ではなかなか分かりづらいものだが、今回の検査で、新開発の香には睡眠薬を服用したときと同じ睡眠効果があることが客観的に分かった。香りが臭覚を通じて副交感神経に作用し、リラックス感が得られていると考えられる」と説明する。

 天年堂は、新製品を「ベチバー香」として昨年末から30本入り9900円(税込み)で販売。同大キャンパス内の2カ所でも近く販売を予定している。コロナ禍で緊張状態が続く同大医療従事者に「安らぎを」と7千本贈呈した。稲生敏美社長は「お香は薬にあるような副作用もなく、体に優しい。今後7本入りも販売する」と語る。

 国民の2割が眠りについての不安を持つといわれる不眠の時代。内村教授は学習効果を上げるため地元高校生に昼寝を推奨。「コロナ禍による不安が睡眠不足に拍車をかけ、自殺者の増加にもつながっている。睡眠は免疫力を上げ、コロナ感染予防にも重要だ。健康維持の基礎になる睡眠の大切さを改めて考えてほしい」と話している。

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