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梅チョコ、世界へはばたけ 専門店と共同開発 太宰府市の福岡農業高校

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企業と共同開発してきた商品を前に写真に納まる福岡農業高校梅研究班の生徒たち
企業と共同開発してきた商品を前に写真に納まる福岡農業高校梅研究班の生徒たち
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 「合格する梅(ばい)」をキャッチフレーズにしたポテトチップスなど、梅を使った商品を売り出してきた福岡県立福岡農業高校(太宰府市)が、老舗洋菓子店「チョコレートショップ」(福岡市博多区)とのコラボで「梅チョコ」を開発した。バレンタインデーを控えた今月初旬に福岡市内で販売したところ、連日完売と好評。その人気ぶりに太宰府市が「ふるさと納税」の返礼品として活用することにし、同店は4月末からJR博多駅や福岡空港の店舗での販売、秋には仏パリでも発売する予定で、舞台は世界へと飛躍の気配を見せている。(永尾和夫)

■「太宰府の梅」生かし

 「太宰府の梅」は「古代日本の『西の都』~東アジアとの交流拠点~」として「日本遺産」に認定された同県太宰府市の構成文化財となっており、チョコレートショップも梅を使った新たな商品企画に挑戦。そこで持ち上がったのが、市内の梅園で収穫した梅を加工して、さまざまな商品を開発している福岡農高の食品科学科梅研究班との連携。梅研究班は毎年5月から、200キロを収穫。梅ジャムやシロップ、ペーストに加工している。同店の佐野隆社長(64)が同校で品質をチェックしたところ、高い品質に驚き「これはいける」と判断した。

 どんな形や色、味にするのか。梅研究班の生徒9人が、それぞれ二つずつアイデアを出した。店ではこれをすべて試作。パリにも店舗を持つ佐野社長は「世界に通用するものに挑戦しようや」と呼び掛け、改良を続けた。

 こうして昨年9月に完成したのが「梅の実入り」と「梅ジュレ入り」の2種類のチョコレート。淡い緑や黄色をしたホワイトチョコを口に含むと、カリッとした梅の実や甘酸っぱいジュースが広がる。梅特有の酸味と甘さのバランスが絶妙だ。「コロナ禍の中で、ほっと一息つき、元気を取り戻すものにできたらと、みんなで頑張った」と梅研究班班長の大本ことりさん(18)。パッケージも生徒が手掛けており、小林咲葉さん(18)は「世界」を意識し、箱には九州の地図を配した。

 梅チョコは2月初めから1日100個限定で福岡市内2店で発売したが、「高校生が作ったチョコということもあって連日完売の大人気だった」と同店。中には「太宰府の梅は花だけと思っていたが、梅チョコと聞いて驚いた」という人もいたという。太宰府市の楠田大藏市長も「今までにない味で可能性を感じる」としており、近く「ふるさと納税」の返礼品にする。

 さらにチョコレートショップでは4月末から販売を再開。今後、JR博多駅や福岡空港でも「福岡土産」として販売することを検討する。同店はゴマ、抹茶、きな粉など日本の食材を使ったチョコレートをパリで販売してきた。梅チョコも2月にはパリで発売する予定だったが、コロナ禍の影響もあって延期。秋には発売する予定だ。

■「合格する梅」ヒット

 福岡農高の梅研究班が梅製品の開発に力を入れ始めたのは十数年前から。梅を使った納豆やドレッシングを「合格する梅」のキャッチフレーズで校内販売したところ、受験生などに大反響を呼んだ。このため平成21年に「合格する梅」を商標登録。その後、スナック菓子メーカーのカルビーと提携して梅味のポテトチップスを開発。毎年、味やデザインを変えて売り出している。

 平成30年には梅加工品が農水省「ディスカバー農山漁村の宝」に選定され、「太宰府梅サイダー」は福岡県6次化商品コンクール奨励賞に入賞。今年度は梅ギョーザ、梅あんまんじゅうも開発。キクイモのかき揚げは「うまいもん甲子園」全国大会に出場するなど活躍が続いている。

 商品は生徒らがアイデアを出し、それを提携企業が商品化。市場調査も生徒たちが行う。指導の諌山弘基教諭(44)は「生徒たちが次々に出す提案を企業もしっかと受け止め、生徒の感性を商品に反映してくれている」と目を細める。

 太宰府市は24日に新品種の梅の木など15本を同校に寄付し、生徒らの活動を支援。その場で3年生9人は、2年生に活動をバトンタッチした。

 卒業を控えた野田凱さん(18)は「梅研究班で学んだマーケティングに興味がわいたので、大学に進学して流通を勉強する」。亀川豊さん(18)も「大学で農業を学び、母校に帰ってきたい」と、今後も同校での経験を生かすつもりだ。

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 【福岡農業高校】 福岡県太宰府市大佐野にある県立の農業高等学校。都市園芸、環境活用、食品科学、生活デザインの4学科のほか、卒業生がさらに農業について2年間学ぶことができる専攻科がある。

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