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【熱血弁護士 堀内恭彦の一筆両断】「日の丸」を大切に 「国旗損壊罪」を考察する

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 去る2月11日は「建国記念の日」(紀元節)。残念ながら最近は、祝日に国旗を掲げる風景を見かけることも少なくなった。国旗は国を象徴し、尊厳を表すものとして大切に扱われるべきであるが、一方で、国家を侮辱する目的で国旗を「引き裂く」「焼く」「踏みつける」などの行為に及ぶ者もいる。

 日本では「外国国章損壊罪」(刑法第92条)はあるものの、日本を侮辱する目的で日章旗(日の丸)を損壊しても処罰規定はない。

 そこで、今国会では自民党議員の一部有志が日章旗(日の丸)を傷つける行為を罰する「国旗損壊罪」の新設を盛り込んだ刑法改正案の成立を目指している。

 【国旗損壊罪】「日本国を侮辱する目的で国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者は2年以下の懲役又は20万円以下の罰金に処する」

 自民党は野党時代の平成24年にも同様の法案を提出したが、結局、廃案となった。このときは反対論や慎重論が多く、日本弁護士連合会(日弁連)も反対声明を出している。

 反対論者は「外国国章損壊罪の保護法益は、国際紛争の火種となることを避け、日本の対外的安全と国際関係的地位を守ることであるが、自国の国旗損壊罪にはそのような保護法益はない」と主張する。

 しかし、これは保護法益の捉え方を誤ったものと言わざるを得ない。外国国章損壊罪の保護法益は、外国の「国家的名誉」であり、日本も同様に「国家的名誉」を有していることは言を俟たない。

 また、「表現の自由を侵害する」との批判もある。

 しかし、言うまでもなく「表現の自由」は無制限ではない。国旗を引き裂いたり、燃やしたりする行為は保護されるべき「表現」とは言い難いであろう。しかも国旗損壊罪は「侮辱する目的をもって」という限定を付したうえで、損壊・除去・汚損という行為に限って処罰するものであり、表

現の自由を不当に侵害するおそれはない。

 さらに、「戦時中の国旗を現在も使用している日本は、戦争被害を受けた近隣諸国民に対し、外交上の配慮をすべきである」との慎重論もある。

 しかし、これこそ自虐史観にとらわれた発想であり、自国の国旗をどのように取り扱うかはその国の内政問題である。むしろ、国旗の意義、大東亜戦争の経緯を踏まえて日本の意思を堂々と表明していくべきである。

 日本において国旗損壊罪が定められていないのは、国旗を尊重することは明らかな常識で、昔から日章旗(日の丸)を大切にしてきた歴史もあり、わざわざ処罰規定を設ける必要性がなかったためである。

 しかし、残念ながら、昨今、過激な人権団体や反日・嫌日勢力が「表現の自由」や「芸術」などと称して公然と日本国に対する侮辱行為に及ぶことが増えている。国家や国旗に対する尊厳や愛着の念は、本来、国民の自然な感情によって維持されることが望ましいが、他方で、これを踏みにじる行為に対しては毅然(きぜん)と対応しなくてはならない。

 国民の理解を得るためにも、この法案は国会でしっかり議論したうえで成立させることが肝要である。日本国民が自国の歴史と伝統、そして国旗の意義を見つめ直す機会とすべきである。

     ◇

【プロフィル】堀内恭彦

 ほりうち・やすひこ 昭和40年、福岡市生まれ。福岡県立修猷館高校、九州大学法学部卒。弁護士法人堀内恭彦法律事務所代表。企業法務を中心に民事介入暴力対策、不当要求対策、企業防衛に詳しい。九州弁護士会連合会民事介入暴力対策委員会委員長などを歴任。九州ラグビーフットボール協会理事(スポーツ・インテグリティ担当)、元九州大学ラグビー部監督。

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