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「とりもどせ 元気!」福岡市3年度当初予算案 未来への投資にも力点

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記者会見する福岡市の高島宗一郎市長
記者会見する福岡市の高島宗一郎市長

 「とりもどせ 元気!」

 福岡市の高島宗一郎市長は、令和3年度当初予算案を発表する16日の記者会見で、初当選した平成22年の選挙戦で訴えたキャッチフレーズを掲げた。意識して前向きなメッセージを発信する“高島節”は、コロナ禍で社会が閉塞(へいそく)感に包まれる中だけに、際立つ。

 第3次産業が主体の福岡市経済は、コロナ禍による経済活動の抑制でダメージを受ける。会見で、高島氏が「民間の皆さんが大変な状況にあるからこそ、行政が支出して、地元経済の下支えをする」と力を込めたように、歳出メニューには傷ついた地元経済や市民生活への支援策が並んだ。

 ただ、それらはあくまで止血策でしかない。

 高島市政として「都市を成長させ、その果実で生活の質を向上させる」とする看板を下ろさない以上、再び立ち上がり、5年、10年先に飛躍するための投資が欠かせない。厳しい財政状況の中でも当初予算案にはそのためのメニューを盛り込んだ。

 その一つは、人への投資だ。要支援家庭へ対応を強化するため「子ども家庭支援センター」を増設するなど、少子化対策や教育環境の充実といった分野で多くの新規事業に着手する。

 一連の施策には「コロナで大変な中で最も影響を受けるのは子供」(高島氏)として、子供に手を差し伸べる意味があることはもちろん、都市の活力をむしばむ人口減への抵抗という意味がある。

 もう一つは、起業支援や国際金融センターの誘致といったヒト・モノ・カネを市外から呼び込む施策の継続だ。コロナ禍で「3密を避けたい」といった新たなニーズが生じた現状を「新しいビジネスが必要とされるときだ」(高島氏)とチャンスととらえる。

 市は従来の支援策に加えて、財務戦略に精通するといった専門人材をスタートアップ企業に紹介する事業も始める。12日に福岡進出を発表した香港の資産運用会社、MCPホールディングスのような金融機能の強化は単に雇用拡大だけでなく、企業の資金調達にとってもメリットがある。

 同市は全国の自治体に先んじて行政手続きの押印義務を廃止する「ハンコレス」を達成したのをはじめ、行政のデジタルトランスフォーメーション(DX)を引き続き推進する。

 「この先どのような時代になるかを予測すると外れるから、時代を作る」と意気込む高島氏は16日午後、オンラインで開催されたシンポジウム「FUKUOKA 地域サミット2021」でもこう呼びかけた。

 「ウィズ、アフターコロナの街づくりを進めていきたい。時代が変わっている今こそチャンスだ」(中村雅和)

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