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弥生時代の欅テーブル 1億1500万円 福岡・関家具

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 家具企画・販売の関家具(福岡県大川市)が、弥生時代の地層に埋まっていた「神代欅(じんだいけやき)」の一枚板テーブルを製作した。長さ7メートル、幅1・5メートル、厚さ約10センチと重厚感のある大型テーブルの販売価格は実に1億1500万円(税抜き)。長年にわたり一枚板テーブルを手掛けてきた同社でも例のない高額商品だ。その製作の背景には、一枚板の価値向上を通して、業界全体が潤う仕組みづくりを目指す関文彦社長(78)の熱い思いがあった。(中村雅和)

■「ほれた」

 九州大学での鑑定によると、テーブルに用いた欅の大木は推定樹齢が600年ほどで、弥生時代に山形、秋田両県にまたがる鳥海山の噴火に巻き込まれ、地下に埋まったとみられる。埋没後、1千年を超えるものは神代と呼ばれることから神代欅と銘打った。すでに複数の購入希望が寄せられているという。

 通常、倒木は朽ちていき自然に還るが、火山灰に埋もれるなど、条件がそろえば腐敗することなく残る。今回のテーブルに用いた欅の大木は平成26年、鳥海山のふもとで進んでいた東北自動車道の工事現場で見つかった。

 丸太を買い取った山形県内の業者から、関氏に連絡があったのは27年。「商売はヒト、モノ、カネ以上に情報が命」として、長年かけて全国に築いた人脈が生きた。

 「長さ、太さ、根のつまり具合、すべてがすごい。一言で言えばほれた」

 関氏は、業者の倉庫で初めて大木を見たときの感想をこう振り返る。その時点では、地下に埋まった時期や樹齢など詳しくは分かっていなかった。内部に想定外の腐食などがあるリスクもある。それでもその場で購入を即決した。それは、すべてを飲み込んでも余りある魅力を感じたからだ。

■希少だからこそ

 大木は大川市にある同社倉庫に運ばれ、数年間の乾燥を経て製材所へ。この時点でどれだけの厚みを取るかが、最終的に製作するテーブルの価値を左右する。

 5~6センチ程度が一般的だが、今回は10センチとかなり厚くとることにした。厚みが増すほど、割れや反りなど「暴れ」と呼ばれるトラブルが抑えやすいからだ。また、さまざまな規制から今後、神代欅が大量に出回ることは見込めないため、希少価値に見合った製品にしたいとの考えがあった。

 製材後、花田涼平工場長(30)ら40人以上の職人の手で重厚な一枚板テーブルに仕上げた。「自然な木目がとても美しいんですよ」。テーブルについて説明する花田氏の笑顔には大仕事を終えた満足感がにじんだ。

■比類ない魅力

 完成した一枚板テーブルは細かい穴やひび割れはあるものの、大がかりな補修が必要な部分はなく、自然のままの風合いが感じられる。販売価格は1億円超とした。同社はこれまでも単品で数千万円の製品を世に送り出したが、群を抜く高額商品だ。この値付けは単に世間の耳目を集めようとする狙いからではない。

 「一枚板はかつて数十万円程度で取引されるなど価値が低かった。そんな相場を引き上げようと努力してきた」

 関氏はこう語る。

 その上で相場を引き上げる力は、希少価値が高い木材で製作するフラッグシップモデルだけが持っている、とする。最高級品は、その他の商品の価格にも影響してくるからだ。

 高額で売れるようになれば、自社はもちろん、製材所や問屋など木材に関わる業者すべてが安定して事業を継続できる。

 希少かつ、魅力的な木材だからこそ、思い切った値段をつけ、業界全体が潤う仕組みづくりを進める。そんな戦略を担うテーブルを前に関氏はこう意気込んだ。

 「独特の温かみなど一枚板の魅力は比類ない。今後も価値を認めてもらえる良いものを作っていきますよ」

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