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【九州・山口 新年インタビュー】「地域経済の浮揚が最大の使命」吉村猛・山口フィナンシャルグループ会長兼CEO

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インタビューに答える山口フィナンシャルグループの吉村猛会長兼CEO
インタビューに答える山口フィナンシャルグループの吉村猛会長兼CEO

 令和3年の経済見通しは新型コロナウイルス次第だが、不透明感、不確実性が増しているのは間違いない。

 昨年後半からは、少しずつ経済も回り出し、資金繰り融資の需要は落ち着いている。ただ、現在の第3波が長引けば再び対応が必要になってくる可能性もあるし、資金繰りだけでなく、だんだんと財務体質に影響が出てくる会社もあるかもしれない。

 われわれ地域金融機関としては全面的に支えていく。(一部が資本とみなされる)劣後ローンなど融資態勢を整えているので、十二分に支援できるだろう。

■リモート営業推進

 必要な資金供給も含めて金融事業はさらにブラッシュアップしていきたい。事業性評価について、顧客のニーズをとらえながら必要な資金や情報、ネットワークを提供していく。

 それに付随するものとしてコンサルティングビジネスがある。まだまだ顧客のニーズにマッチしないところもあるが、経営支援に結び付くようなコンサル業務を拡大していきたい。

 山口、広島では後継者が決まっていない企業がたくさんある。事業承継について顧客とじっくり話せるような環境づくりをしていきたいと思っている。

 地域金融機関にとって地元企業の円滑な継承、有益な技術を継続させていくことは非常に重要だ。しっかり体制を強化してやっていきたい。

 コロナ禍で将来的な資産形成にも不透明感が広がっている。個人の資産形成についてもライフプランニングという形で、しっかり支えるような取り組みを展開していきたい。

 お金の不安が解消するよう資産運用や保険などトータルで提案していく。これまでも人生設計を支援する取り組みはやってきたが、まだニーズに合致しない部分もあるので、浸透させていきたい。

 コロナに関わらず、デジタル化の流れは止まらない。

 昨年10月、リモートで取引が完結する完全非対面営業を導入した。コロナ下で対面は避けたいという顧客についても、取引が継続できるような形を整えた。

 ただ、リアルな対面での情報交換や取引も大事だ。今のところ非対面営業の割合は1~2割が現実的だが、顧客のニーズや業務の効率化も踏まえて3~5割に持っていけるといいと思っている。

 取引先企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するために、女性社員でつくる専門チーム「TECH女子」も新たに立ち上げた。広島市内には、もみじ銀行店舗をリニューアルし、DXを支援する施設「Azure Hiroshima Base」を開設する。地域のニーズも増えてきているので、地道に対応していく。

■若手登用が必要

 人材紹介や地域商社など非金融事業の収益化は、順調にきている。ただ、そうした地域課題の解決を収益に結び付けていく活動を、もう少しスピードを上げてやっていかなければいけない。

 日銀によるマイナス金利政策の長期化で経営環境が厳しい一方、さまざまな規制緩和も進む中、地銀の収益改善のためには再編は当然、考えられてしかるべきことだ。地域金融機関同士の再編以外にも、異業種との業務提携も重要だ。

 山口フィナンシャルグループ(FG)では昨年6月に50歳の椋梨敬介社長が就任した。

 これからの地方銀行に求められることは2つあると思っている。1つは、地域経済をいかに活性化するか。もう1つは、DXを本気で理解して、金融業や地域に展開していけるか。

 この2つの要点を考えたときに、経営層はできるだけ早くデジタルネーティブ世代に継いでいかなければいけない。社長に限らず若い人材の登用があらゆる側面で必要になってくる。

 コロナという不透明感はあったが、地域活性化とDXの進展は環境が不透明だとしても必ずやらなければいけない。

 山口FGの最大の使命は、いかに地域経済を活性化させるかだ。それはコロナの前も後も変わらない。しかし、コロナ後はより活性化に向けた取り組みの精度や効率性、生産性を上げていかなければいけないだろう。人口減少も進む中、真に地域経済を浮揚させる方法を血眼になって探していく。これは待ったなしだ。(小沢慶太)=おわり

 【吉村猛(よしむら・たけし)】 昭和35年4月、山口県下関市出身。東京大経済学部卒業後の58年、山口銀行入り。常務徳山支店長、常務東京本部長などを経て、平成28年6月、山口フィナンシャルグループ社長に就任。令和2年6月から現職。

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