PR

黒の車体に豪華内装、美味堪能 16日から運行のJR九州「36ぷらす3」乗車ルポ

PR

黒光りした車体が特徴のJR九州の観光列車「36ぷらす3」=佐賀県鹿島市
黒光りした車体が特徴のJR九州の観光列車「36ぷらす3」=佐賀県鹿島市

 JR九州の新たな観光列車「36ぷらす3」が16日に運行を始める。黒い外観、豪華な内装の列車に乗って九州各地の魅力に触れる旅は、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込んだ旅行需要の喚起だけでなく、地域活性化の起爆剤としても期待される。運行開始を前に12日に実施された報道陣向け試乗会に参加し、博多から長崎へ向かう列車の旅を体験した。(九州総局 小沢慶太)

 「36ぷらす3」は、鹿児島中央から博多まで4日間かけて走る行程が用意されている。12日に試乗会が行われたのは、そのうち鹿児島線、長崎線を通って博多-長崎を往復する「金の路」コースで、博多発、長崎着の列車に乗車した。

 午前10時半すぎ、JR博多駅6番ホームに黒光りした6両編成の列車が姿を現した。車体は黒い森をイメージしたメタリック塗装で、随所に金色をベースにした「36ぷらす3」のロゴマークがあしらわれている。

 車両は、主に博多-長崎を結ぶ特急「かもめ」の一部列車などに使っている787系を改造した。全席グリーン席で定員は105人。両端の1、6号車はJR九州の観光列車では初めてとなる畳敷きで、1~3号車はソファや机を設けた個室になっている。

 同10時50分ごろ、博多駅を出発。記者が乗り込んだ5号車は、通常4列に配置されている座席を3列に減らし、余裕を持って座ることができた。障子戸や天井は福岡県大川市の伝統工芸「大川組子」で装飾されているほか、座席には植物を中心とした柄が描かれていて、落ち着いた雰囲気を醸し出している。

 博多を出発して約30分。列車が最初の停車駅、佐賀駅に近付いたころ、昼食が運ばれてきた。福岡・西中洲の「日本料理 ながおか」の特製弁当だ。

 福岡県産の鶏や野菜を使った「博多がめ煮」や博多ナスやこんにゃくの煮物、明太子がのった白米-。車窓に広がる風景を眺めながら、ミシュランガイドで星を獲得した名店の味を堪能した。

 列車は途中、長崎線の肥前浜駅(佐賀県鹿島市)で50分ほど停車。駅に降りると、地元観光協会関係者らが旗を振って歓迎してくれた。

 同駅では運行に合わせて、地元特産品の販売を行う。地元日本酒の飲み比べのほか、近くの酒蔵をめぐる街歩きも体験できる。鹿島市観光協会の中村雄一郎代表理事は「鉄道はまちのシンボルになる。長崎線でゆっくりとした旅を堪能してほしい」と期待する。

 午後2時半ごろ、佐賀県から長崎県に入ると、車窓には穏やかな有明海と島原半島が広がった。車内イベントなどが開催される4号車では、「金の路」にまつわる沿線のエピソードを乗務員が映像を交えて紹介。日本酒やべっこう細工など地域の歴史や魅力を学んだ。

 同3時半すぎ、終点の長崎駅に到着した。通常の特急を利用すれば博多-長崎間は2時間程度だが、「36ぷらす3」は4時間半以上かけてゆっくりと走る。

 列車の名称には、九州の面積が世界の島で「36」番目であること、そこに乗客、地域、JR九州の「3」者が加わって、驚きや感動を届けるとの思いを込めたという。

 秋の行楽シーズン、食や歴史、文化など沿線の魅力をじっくりと味わうことができるちょっと贅沢な観光列車の旅にでかけてみてはいかが-。

この記事を共有する

おすすめ情報