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【サンライト帳】種痘発祥の地・秋月

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 福岡県朝倉市秋月は、かつて秋月藩主の居城があり、九州の小京都とも呼ばれる。城跡西側の馬場には桜並木があり、春は花見、秋は紅葉でにぎわう。観光客は、この並木の中央付近に石碑が立っていることにお気付きだろうか ▼碑文には「我国種痘発祥之地秋月」と刻まれている。種痘とは古代から恐れられた天然痘ウイルスに対する予防接種のことだ。その予防接種に日本で初めて成功したのが、秋月藩の藩医、緒方春朔(しゅんさく)だった。春朔は藩を挙げての支援のもと、独自の種痘法を開発。わが国の天然痘予防に道を開いた。英国のジェンナーが牛痘による種痘法を発明したのは、その6年後だった。碑はこの偉業を記念し地元医師らが建立した ▼郷土の先人たちの挑戦は現代に引き継がれ、世界保健機関(WHO)は、ついに1980年「世界天然痘根絶」を宣言した。春朔らの粘り強い闘いに思いをはせながら、新型コロナウイルス壊滅に向けて第2、第3の春朔が現れることを期待したい。 (永尾和夫)

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