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緊急事態宣言解除の福岡、警戒の緩みを懸念 県、休業再要請で独自指標

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マスクを必ず着用するよう呼び掛ける「マスク&ライド」運動を始めた福岡市営地下鉄
マスクを必ず着用するよう呼び掛ける「マスク&ライド」運動を始めた福岡市営地下鉄

 新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急事態宣言が解除された福岡県で、外出自粛や休業要請が大幅に緩和されたことによる「警戒の緩み」への懸念が広がっている。福岡市は15日、市営地下鉄の利用者にマスク着用の徹底を呼びかけ、駅でマスクを配布する取り組みを始めた。県は、休業要請など再び感染防止対策を強化する際の基準となる県独自の指標を設け、感染の再拡大に備えている。(九州総局 小沢慶太、中村雅和)

 15日朝、市営地下鉄天神駅(福岡市中央区)の改札口では、市交通局職員がマスク着用を呼びかけ、未着用者には、マスクを無料配布した。マスクを受け取った男性は「普段、地下鉄に乗らないからうっかり忘れていた。非常に助かる」と語った。職員は「思ったよりも(配布数は)少ない。マスクを着用することは、ある程度習慣化しているのではないか」と話す。

 「マスク&ライド運動」と称したこの取り組みは、市営地下鉄全駅で実施。市では19日以降は、マスクを受け取った乗客には実費相当の1枚50円の寄付を呼びかける。

 NTTドコモが公表しているデータによると、福岡・天神地区では、すでに緊急事態宣言解除のムードが広がっていた14日午後3時の人出が前日比4・6%増え、週明けの11日以来3日ぶりに増加に転じた。宣言発出前の4月7日比でも36・8%減にとどまる。同じ平日で大型連休前の4月28日が同43・7%減だったのに対し、人出は確実に増えているといえる。

 高島宗一郎市長は14日夜の記者会見で、「ここで一気に緩んでしまえば、感染の第2波、第3波が来る時期が早まってしまう。全員で協力してリスクを減らそう」と訴えた。

 小川洋知事も14日夜の記者会見で「緊急事態宣言が解除されるが、これで終わりではない」と引き締めを図った。一方で、「社会経済活動のレベルは上がるので、一定数の感染者が出ることは考えられる」と述べた。

 感染の「第2波」に備えるため県は、病床確保や再び休業を要請する際の独自指標を示した。具体的には(1)直近3日間の1日当たりの平均感染者数が3日連続8人以上で、かつ増加傾向にある(2)直近3日間の感染経路不明者の割合がいずれも50%以上(3)病床稼働率が50%以上(4)重症病床稼働率が50%以上-の4項目だ。県は、これら指標に基づき総合的に判断する。

 (1)については、感染者の急増が始まった3月31日の数値が初めて8人以上となり、(2)については、4月中旬のピーク時に50%を超えていた。それぞれ感染拡大の起点と感染の広がりを計る目安として採用した。

 (3)、(4)については現在、県内の専門病床は430床で、そのうち重症者用は60床。これまでの経験では、患者の5%程度が重症、残りは軽症か無症状だという。重症者の入院期間が平均3週間、それ以外は平均2週間であることなどを勘案し、それぞれ50%以上を目安とした。

 小川氏は4つの指標について「次の波が来た時のためにいち早く対応するための基準だ」と強調した。

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