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【イノベーション創発 新たな価値観が地域を救う】(4)P2Pの誕生(下)

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 □崇城大学教授・星合隆成

 ■つながりに価値 新たなマネタイズ

 日々著しく進む第4次産業革命の主要技術の一つ、「P2P(ピアツーピア)」は、イノベーションを起こすためにどのような「新たな発想による新たな価値観」を提起しているのか。

 前回は、新たな価値を創出するための4つの要素のうち、(1)仲介者は不在と考える「ブローカレス」(2)サービスの利用者が同時にサービスの提供者にもなる「サーバント」-の2つを説明しました。今回は残り2つについて解説します。

 3つ目は「つながりに価値」です。これまでは、商品やサービスなど「モノ」に価値があると考えられてきました。そこで、これらのPRやブランディングを考えることがこれまでのビジネスでは一般的でした。

 これに対して、P2Pではモノそのものよりも、「つながりにこそ価値」があると考えます。

 たとえば、(1)モノが生み出されるまでのプロセス(過程)(2)モノを生み出すための活動(3)モノとモノ・人とのつながり-など、それぞれのストーリー(物語)に価値があると考えるのです。このようなつながりをインターフェース(接点)として公開すること、すなわち、つながりをブランディングすることによって、新たな発火や化学反応を引き起こし、それがさらなるつながりを創り、そこから新たなビジネスが生まれると考えたのです。モノ中心の考え方から「つながり」中心の考え方へと発想の転換を促したのです。

 「つながりに価値がある」-これが3つ目の要素です。

 そして最後の4つ目は聞き慣れない言葉だと思いますが、「セミピュア」という新たなマネタイズの仕組みです。

 これまでのサービスの提供モデル(ビジネスモデル)の大半は、前回説明した通り、サービスを提供する側とサービスを受ける側が「トップダウン・中央集権型」の構図となっていました。なぜなら、ユーザー認証やサービス課金が容易なため、イコール、ビジネスに適しているからです。

 これに対しP2Pは「ボトムアップ・非中央集権型」のネットワークコミュニティを構築することに価値を置くため、ユーザー認証やサービス課金が容易ではなく、これがビジネスシーンでのP2Pの活用を阻む大きな壁となっていました。

 しかし、NTT未来ねっと研究所が発明した「SIONet(シオネット)・ブローカレス理論」は、その壁を乗り越え、「セミピュアモデル」と呼ばれるマネタイズの仕組みを提案しました。

 それは、サービス利用者とサービス提供者の両者の役割を担うユーザーと、サービス運営者(本来のサービス提供者)がブローカレスにつながることによって、「ユーザーとサービス運営者の両者が協力してサービス提供を行うモデル」です。

 たとえば、NTT西日本の「NTTフレッツ光グリッドサービス」は、セミピュアモデルの成功事例といえますが、少し難しいので、これについては、次回詳述します。

 今回は、ユーザーとサービス運営者が協力することによって、サービスの販売、サービス課金、ユーザーへの利益配分などを共に担うという新たなビジネスモデルを提起した「セミピュア」という用語と、このモデルがビジネスの世界で急速に拡大していることを認識していただければと思います。

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