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「追い山」舁けぬ夏 新型コロナで博多祇園山笠、来年に延期決定

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福岡市の夏の伝統行事「博多祇園山笠」=昨年7月15日
福岡市の夏の伝統行事「博多祇園山笠」=昨年7月15日

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、福岡市の夏の伝統行事「博多祇園山笠」を運営する振興会は20日、主会場の櫛田神社(同市博多区)で総会を開き、今年7月の開催を見送り、来年に延期することを正式決定した。同神社の神事である祇園例大祭のみ、氏子総代と振興会幹部が出席して執り行うが、勇壮さで知られるクライマックスの「追い山」などは中止に。先の戦争で中断し、昭和23年に復活して以降初めての見送りとなった。

 「2月には何とか(感染拡大が)収まるのではないかと思っていたが、3月にどうも様子がおかしくなってきた。世界中がこういう状況になっている中、到底『祭り』ではないだろうという結論になった」

 今夏の開催見送りを全会一致で決定した総会の後、記者会見した振興会の武田忠也会長は、厳しい表情で語った。

 博多祇園山笠は、鎌倉中期の臨済宗僧侶で承天寺の開祖、聖一国師(しょういちこくし)が疫病を鎮めようと、施餓鬼棚(せがきだな)に乗り、通りに水をまいたことが起源の1つとされ、約780年の歴史を持つ。例年7月1日から15日にかけ開かれ、博多に夏本番を告げる伝統の祭りとして親しまれ、毎年約300万人の人出がある。

 水法被に締め込み姿の男衆の担ぐ山車「舁(か)き山」が街を駆け抜ける「追い山」は勇壮さで知られ、一連の行事は平成28年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録された。

 戦国時代や、大戦期の混乱などで中断もあったものの、今回の見送りは先の戦争中の中断から昭和23年に復活して以降では初めて。政府の緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出の自粛が要請されている現状を踏まえた苦渋の判断だ。

 ただ、櫛田神社の祇園例大祭は執り行うため、阿部憲之介宮司は「無病息災を祈る7月15日午前3時からの神事は例年通り奉仕する。(山笠の)本来の趣旨は変わっていない」と強調した。

 武田氏は「(来夏には)コロナウイルスがどこまで衰退しているか分からないが、延期したからには、来年ぜひできるようにしたい」と語った。

 一方、すでにパレードなどの中止が決まっている「博多どんたく港まつり」に関連して、祭りの起源とされる「博多松囃子」の振興会も20日、同神社で総会を開き、5月3日と4日に予定されていた行事の延期を決めた。

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