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病院関係者に不当な扱い 保育所が子供拒否など 医療崩壊につながる懸念も 福岡

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 新型コロナウイルスの感染が拡大し、患者の治療に当たる医療機関でもクラスター(感染者集団)が発生している。そんな中、医療従事者と家族が周辺から中傷を受けたり、子供の保育所利用を断られたりするケースが目立ち、医療現場からは悲痛な声が上がっている。

 「病院への怒りがあると思うが、いわれのない仕打ちを受けると(医師や看護師が)働けなくなり、最終的に住民に跳ね返る。医療者を大切に扱ってほしい」

 13日、福岡県から「院内での集団感染のおそれがある」とされた感染症指定医療機関、福岡徳洲会病院(春日市)の児玉亘弘総合内科部長は、記者会見でこう訴えた。

 同病院によると、入院患者や看護師の感染が明らかになった9日以降、子供を保育所に預けて勤務する病院関係者が、施設から受け入れを拒否されたという。

 このようなケースは、特殊な事例ではない。

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」での集団感染に対応した関係者も職場で「バイ菌」扱いをされるなどの不当な扱いを受けたり、子供の保育園・幼稚園から登園自粛を求められたりした。日本災害医学会は2月、「信じがたい不当な扱いで、強く抗議するとともに改善を求めたい」とする理事会声明を出した。

 同病院では、受け入れを拒まれ、出勤できなくなった看護師らの業務を、勤務時間帯のやりくりなどでしのぐ。ただ、児玉氏は「コロナ対応は長期戦だ。いつか破綻する」と危機感を強める。

 同病院で、人員が体制を維持できる限界を下回れば、近隣の病院に入院中を含めた患者が押し寄せる。その結果、ドミノ倒し的に混乱が拡大する最悪のケースもあり得る。

 福岡市の高島宗一郎市長は14日、同病院関係者の受け入れ拒否が市内の保育所でも確認されたとした上で、「通常の医療を守りながら、コロナの対応も担うのは相当なストレスだ。自分の子供を感染させたくない思いはみな一緒だが、医療関係者が保育園などに子供を預けられているからこそ、(罹患(りかん)時に)守ってもらえることを忘れてはいけない」と述べ、市民や保育関係者に理解を求めた。 

(九州総局 中村雅和)

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