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新型コロナ感染急増、迫る病床不足 福岡県、民間ホテルを活用へ

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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて緊急事態宣言の対象地域となった福岡県で、感染者を入院させる病床が不足する事態が迫っている。入院患者が200人を超えているのに対し、感染症病床数は約250床にとどまる。累計の感染確認は直近9日間で約7倍に膨れ上がり、このままの増加ペースが続けば近く患者数が病床数を上回る。県は、症状の軽い患者は民間ホテルなどを活用して療養させる方針で、受け皿の整備が急務となっている。(九州総局 小沢慶太)

 県によると、9日午前現在、県内の累計感染者数は224人。そのうち入院中は207人で、1人が死亡、16人が退院している。

 一方、感染患者を受け入れ可能な病床数は当初、66床だけだったが、県内12カ所の感染症指定医療機関や協力医療機関の計約250床にまで増えている。それでも最近の感染者の急増に病床数は逼迫(ひっぱく)してきているのが現状だ。

 県内で最初に2人の感染が確認されたのが2月20日だった。それから3月30日までの40日間で29人だった感染者は翌31日以降、急増した。31日から今月8日の9日間の感染者数は195人に上り、累計は7・7倍にもなった。

 同じ9日間の感染者数で見ると、累計が200人を超える北海道(31人)、愛知県(110人)と比べて福岡県の増加ペースが速いことがわかる。それが一因となって福岡は緊急事態宣言の対象地域となった。

 こうした状況に医療関係者も警鐘を鳴らす。県医師会の松田峻一良会長は「現在は軽症の患者がほとんどの病床を使っている。感染が広がり、重症者が増えてもベッドが使えない」と危機感をあらわにする。

 これまで感染者は感染症法に基づき症状の程度にかかわらず全員が入院対象だった。しかし、患者数の増加に伴い大都市圏で病床不足が深刻になると、厚生労働省は今月2日、軽症や症状がない人は自治体が用意する施設やホテル、自宅での療養を検討するよう都道府県に通知した。

 通知を受け県も、重症者の治療を優先するため、症状が軽い患者は民間の宿泊施設などで療養させる方針に転換した。県は200床以上を備える県内のホテル1棟を受け入れ施設として活用できるよう民間事業者と詰めの協議を行っており、小川洋知事は「他の事業者とも話が進んでいる」とする。

 厚労省の指針によると、受け入れ先の宿泊施設では保健師か看護師が日中に常駐。健康状態を把握し、症状悪化の対応ができるよう搬送手段や、搬送先の医療機関の調整をあらかじめ行うとしている。県は施設の確保とともに受け入れ態勢の整備も急ぐ。

 民間施設を活用する際の財源も課題で、小川氏は「国で財源確保をしっかりやってもらいたい」と訴えている。

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