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緊急事態宣言 福岡県、休業要請など当面見送り 地域経済への打撃考慮

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言が8日発効した。対象となった福岡県は、県民に対し平日、週末の昼夜を問わず不要不急の外出を自粛するよう求めた一方で、民間の施設や店舗に対する使用停止や休業の要請は当面、見送った。感染拡大の防止と同時に地域経済に与える影響を踏まえた対応だが、今後の状況次第では休業要請に踏み切る可能性も示唆する。

 この日、同県の小川洋知事は全国知事会や西村康稔経済再生担当相とのテレビ会議に出席し、「医療用資材の調達は自治体がばらばらにやっても難しい。国が一括してやってもらいたい」と要望するなど、対応に追われた。

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 県が新たに要請しているのは(1)生活維持に必要な場合を除く外出の自粛(2)在宅勤務や時差出勤などによる人との接触の低減(3)不要不急の帰省や旅行などの自粛(4)イベント開催の自粛(5)生活必需品などの買い占めをしないこと-の5項目だ。

 外出の自粛については、週末や平日夜の接客を伴う飲食店や繁華街を対象にしていたが、緊急事態宣言によって法的な裏付けを得たことでより要請を強め、平日昼間も含めた。

 緊急事態宣言の対象となった都道府県知事は、学校や福祉施設、映画館、百貨店などに対して休業や使用停止を要請、指示できるが、現時点でそこまでは踏み込まなかった。対象の7都府県のうち、休業要請を行う見込みなのは感染者数が突出する東京都だけで、福岡を含む6府県で足並みがそろった格好だ。

 小川氏は7日夜の記者会見で「経済への影響を最小限に実効性のある感染防止策を打ち出すという国の方針を踏まえた。まずは一人一人が冷静に行動してもらえれば今の事態は改善できる」と語った。ただ、感染状況や自粛要請の効果などを踏まえ「必要があれば発動できるように準備をしていく」とし、今後の休業要請には含みを持たせた。

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 緊急事態宣言は、人の移動を減らし感染拡大を抑えることで、医療体制の崩壊を防ぐのが狙いだ。県は重症者のための病床や、無症状や軽症の患者を収容する施設の確保に奔走。7日現在で県内の感染者は199人と急増する一方、感染者を受け入れる病床は約250床にとどまる。そのため県は今後、重症患者を優先的に治療するため、症状の軽い患者は民間の宿泊施設などで療養させる方針だ。

 小川氏は記者会見で、県内にある200床以上のホテル1棟を活用する方向で事業者と交渉していることを明らかにした。「他の事業者とも話が進んでいる」とし、軽症患者の受け皿整備を急ぐ考えだ。全国知事会のテレビ会議でも「民間施設の活用について国で財源確保をしっかりやってもらいたい」と訴えた。

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