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みやまSE社長退任「方向性異なる」 利益相反取引の清算協議 福岡

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記者会見するみやま市の松嶋盛人市長
記者会見するみやま市の松嶋盛人市長

 福岡県みやま市が出資する第三セクターの電力小売業「みやまスマートエネルギー」(みやまSE)の業務委託の手続きに不備があった問題で、同市の松嶋盛人市長は7日、記者会見を行い、みやまSEの磯部達社長が退任し、後任に同市職員の横尾健一氏が就く社長人事を説明、「根本的に目指す方向性が異なっていることが分かった。会社の今後の存続、発展のため自ら引いていただいた」と述べた。 

(九州総局 中村雅和)

 みやまSEは平成27年3月、当時の故・西原親市長が主導し、市が55%、みやまPHD(みやまPHD)が40%、筑邦銀行が5%出資して設立された。「エネルギーの地産地消」をうたい、自治体新電力の草分けとして注目された。ところが、顧客獲得に苦しみ一時債務超過に陥ったほか、社員の超過勤務をめぐって労働基準監督署から是正勧告を受けるなどして、一部市議から経営状況を問題視する声が上がった。松嶋氏は平成30年10月の市長就任直後の同12月、問題が浮上していたみやまSEの経営調査チームの設置を市議会で表明した。

 今年2月にまとまった調査報告書では、磯部氏が社長を兼務し、みやまSEから電力需給管理などを受託する「みやまパワーHD」の業務委託手続きに不備があり、みやまSEの利益に損失が生じた可能性を指摘した。

 これを受け、市と筑邦銀行、みやまPHDの3者が今後の経営方針について協議。市と筑邦銀は会社法上で「利益相反取引」とされる同一人物が社長を務める会社間の取引の継続について否定的な見解を示した。みやまSEの将来ビジョンについても市とみやまPHDで食い違いが生じた。

 市によると、みやまPHD側は、みやまSEを代表として、複数の新電力で電力調達や需給ギャップの管理を一括して担う「バランシンググループ」(BG)を設立し、全国的な事業拡大を図るプランを進めた。これに対し、市は事業拡大により、卸電力市場や相対取引での電力の調達コストが引き下げられるメリットは認めたものの、みやまSEがBGの代表となることのリスクがより大きいと判断した。

 会見で、松嶋氏は「(BG設立によって)全国展開するのではなく、地元の新電力として地域に根差した原点に戻るということだ」と語った。市は今後、みやまPHDが保有するみやまSE株式について買い取り交渉を進める。あわせて、みやまSEが利益相反取引でこうむった損害の清算についても協議する。

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