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「緊急事態宣言」福岡も対象 医療体制逼迫に危機感 感染者急増、病床確保が急務

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記者会見する小川洋福岡県知事
記者会見する小川洋福岡県知事

 新型インフルエンザ等特別措置法に基づき安倍晋三首相が発令する「緊急事態宣言」について、諮問対象の7都府県に入った福岡県からは、新型コロナウイルスの感染者が急増する同県を対象地域に含めるよう求める声が高まっていた。小川洋知事が6日、特措法担当の西村康稔経済再生担当相に直接要望した一方、県医師会は記者会見で「当然(福岡県を対象地域に)入れるべきだ」と強調していた。背景には、感染者の急増で医療体制が逼迫(ひっぱく)し、今後の動向次第では崩壊しかねないとの危機感があった。(九州総局 小沢慶太、中村雅和)

 「本県の実情を理解いただけたものではないかと大変心強く思っている」。小川氏は同日夜、緊急事態宣言の対象地域に福岡県が含まれる方向となったことについて、こう評価した。これに先立ち小川氏は同日午前、西村氏に対し「福岡県の厳しい状況を踏まえ、早く発出していただきたい」と要望していた。

 県内では3月末から感染者が一気に増加した。2月20日に初めて感染者2人が出てから3月30日までは1日の感染確認がゼロまたは一桁にとどまり、感染者数は29人だった。ところが、同31日に17人の感染が確認されて以降、4月5日までのわずか6日間で感染者は162人に膨れ上がった。

 福岡、北九州両市の医療機関などではクラスター(感染集団)が確認されたほか、162人のうち4割が感染経路不明の患者であることも県の危機感を強めた。県は週末や平日夜について不要不急の外出自粛を呼び掛けているが、効果は見通せていない。

 小川氏は、県内の現状について「今が正念場で(さらなる感染拡大の)岐路に立っている」と強調。緊急事態宣言に基づく外出自粛要請には強制力はないが、「法的根拠があることで心理的な効果、受け取り側の重さは変わってくる」と期待する。国の方針やこれまでの取り組みを踏まえ、7日にも対応方針をまとめる。

 県医師会の松田峻一良会長も6日に記者会見し「最近の(感染者数の)増え方を見ると福岡も将来、東京のようになるだろう」と危機感をあらわにした。緊急事態宣言については「当然、福岡も入れてもらったほうがいい」と訴えた。

 感染者の急増で県内の医療体制は逼迫している。県医師会によると6日午前の時点で、新型コロナの入院患者数は155人。従来、受け入れ可能な病床数は県内12カ所の感染症指定医療機関の計66床だったが、患者急増を受け、他の医療機関の協力などにより約250床にまで増やした。

 県や県医師会はさらなる病床数の確保を目指しているが、このまま感染者が増え続ければ近い将来、病床は不足が見込まれる。重症患者を優先的に入院させて治療するには、無症状や軽症の患者を宿泊施設や一般病院などで隔離する体制を整備することも急務だ。

 緊急事態宣言が発令されると、対象地域の都道府県知事は、臨時の医療施設を開設するための土地や家屋などを所有者の同意なしで使用することができる。

 松田氏は「今は軽症、中等症患者がほとんどのベッドを埋めている状態。今後、重篤、重症者が増えてくるとベッドが使えない」と述べ、緊急事態宣言によって病床と軽症者らを隔離する施設の確保を加速させるべきだと訴えた。

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