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「天神コア」閉館 6年に大型複合ビル誕生 完成までの空洞化懸念 福岡

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既に閉鎖した複合ビル「福岡ビル」(左)と31日で閉館した商業ビル「天神コア」
既に閉鎖した複合ビル「福岡ビル」(左)と31日で閉館した商業ビル「天神コア」

 福岡市の繁華街、天神の商業ビル「天神コア」が31日で閉館した。隣接する建物と一体的に建て替えた大型複合ビルが令和6年に開業する。福岡市の再開発促進事業「天神ビッグバン」の目玉として期待されている一方、天神が再開発ラッシュに伴って完成まで「空洞化」し、集客力が低下するとの懸念も出ている。

 ■再開発ラッシュ

 天神コアは昭和51年にオープン。ファッション関連を中心に約110店が入居した若者らに人気のスポットで、31日まで閉店セールを開催し、買い物客らが名残を惜しんだ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け閉店セレモニーは開かず、最後の挨拶は「WEB生配信」とした。

 西日本鉄道は、既に閉鎖した複合ビル「福岡ビル」、商業ビル「天神ビブレ」を含めた跡地に19階建て、地下4階のビルを造る。ホテルと商業施設、オフィスが入る予定で、西鉄の倉富純男社長は「オフィスへのグローバル企業の誘致を促進し、アジアの拠点都市としての福岡市の飛躍に貢献したい」と訴える。

 周辺では福岡地所が来年9月の完成を目指して「天神ビジネスセンター」(仮称)を建設中。旧大名小跡地には、高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」などが入る25階建て、地下1階の複合ビルも誕生する。

 天神は福岡空港の近くにあるため、航空法の規制でビルの高さが厳しく制限されてきた。市は国家戦略特区の特例を活用して建物の高さや容積率を緩和し、天神ビッグバンで建て替えを促す。

 市は27年時点で、令和6年末までに天神交差点から半径500メートル内でビル30棟の建て替え目標を掲げていた。高島宗一郎市長は今年1月に「約70棟の建て替えが見込まれる」と手応えを示す。

 ■客足遠のく恐れも

 ただ、再開発に伴う商業ビルの相次ぐ閉鎖で、完成までの数年間は商業的な地盤沈下が避けられず、客足が遠のく恐れがある。他にも、ジュンク堂書店が入居するビル「メディアモール天神」が今年夏で、衣料品店や雑貨店、レストランなどが入る商業施設「イムズ」も来年8月末でそれぞれ営業を終える予定だ。

 こうした空白期間に人を呼び込むため、西鉄や福岡地所、福岡市などでつくる「天神ビッグバン賑わい創出プロジェクトチーム」が今年2月に発足した。音楽などのイベントを開催し、街角にキッチンカーやオープンカフェを出す。

 同チーム事務局の蔵田隆秀さんは「知恵を出し合って、街の活性化や回遊性の向上に取り組んでいきたい」と意気込む。

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