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九電中間決算 LNG「在庫」で売却損、減収減益で通期も下方修正

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中間決算を発表する九州電力の池辺和弘社長
中間決算を発表する九州電力の池辺和弘社長

 九州電力は31日、令和元年9月中間連結決算を発表した。売上高は前年同期比1・1%減の1兆202億円、最終利益は63・4%減の71億円だった。梅雨明けの遅れや大雨の影響で電力需要が伸びず、余剰が生じた液化天然ガス(LNG)の売却損も響いた。(九州総局 中村雅和)

 通期の業績予想を下方修正し、売上高は2兆350億円(従来予想は2兆850億円)、最終利益も300億円(同550億円)とした。中間配当は20円を維持するが、期末配当は5円引き下げ15円とした。

 減収減益となった背景には、政策の転換など、九電の自社努力が及ばない要因もあった。

 九電の中間決算では日本卸電力取引所を通じた売電収入が、前年同期比で222億円も減少した。需要が伸びない中で、多くの電気を売り出したためだ。

 企業論理に逆らうような行動だが、経済産業省の「要請」があった。

 経産省は競争促進による電気料金引き下げを目的に掲げる。そのための取引所の活性化策として、大手電力会社に一定量を上乗せして放出するよう求めている。その結果、同取引所の今年4~9月の取引量は、前年より9割増えた。

 九電の長宣也常務執行役員は「売電は市況に左右される部分が大きく、自助努力では難しい」とこぼした。

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 再生可能エネルギーの拡大策も、電力会社の業績に影響する。

 中間決算で九電は、130億円ものLNG売却損を計上した。急速な太陽光発電の普及によって、LNGの「在庫」を抱えたためだった。

 LNGなどエネルギー資源は、10年単位の長期契約で量や価格を決めて、購入するケースが多い。

 ところが、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)の導入で、太陽光発電所が急増した。好天時に限って、太陽光の発電量が急増し、その分だけ火力発電が不要となる。

 その結果、平成29年ごろからLNG在庫が積み上がり、購入時より安い価格で、売らざるを得なくなったという。九電は長期契約の見直し交渉などを進めるが、当面の間、LNGの在庫処理に悩むことになる。

 ただ、外部要因のせいにして、嘆いてばかりはいられない。

 首都圏などで電力小売りを展開する子会社、九電みらいエナジーは、売上高を前年同期の4・4倍の215億円と大きく伸ばした。グループ全体に占める割合は2%強に過ぎないが、明るい兆しの一つだ。

 福岡市内で記者会見した池辺和弘社長は「(下半期は)何とか頑張って、予想の数字以上の結果を残さなければならない。原発4基を保有し、営業も頑張っている。基本的な成長性や事業の安定性は揺らいでいない。そこには自信をもっている」と語った。

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