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昆虫や植物の研究リード 九大農学部創立100周年、椎木講堂「至宝展」で実績紹介

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100年の研究実績を紹介した「農学部百年の至宝展」
100年の研究実績を紹介した「農学部百年の至宝展」

 九州大学農学部が今年、創立100周年を迎えた。大正8年に全国3番目の農学部として設置され、昆虫や植物の遺伝子研究など、特色ある学問で他大学をリードしてきた。来年度には福岡県粕屋町から伊都キャンパス(福岡市西区)に付属農場が移転し、国内最大規模の大学内農場が誕生する。これまでの蓄積を生かし、先端農業や新産業の育成に力を入れる。

 100周年を記念し、椎木講堂では研究実績を紹介する展示会「農学部百年の至宝展」が開かれている。入場すると、カイコが葉を食べている姿が目に飛び込む。

 九大は明治44年以来、遺伝子研究などのためカイコを飼育し、交配の記録を保存している。世界的にも例がない450種、22万頭を保存し、近年はカイコが生成するタンパク質を、ワクチンなど医薬品開発に生かす研究が進められている。

 九大は昆虫分野に強く、福岡・大分両県にまたがる英彦山を中心とする調査で50種以上の新種を発見した。400万点の標本コレクションは、国内最大規模という。

 九大農学部は現在の東京大、北海道大に続き設立され、設立初期からアジアを視野に入れた研究を進めてきた。その一つが「イネ」で、イネのゲノム情報を駆使した品種改良で、ベトナムの稲作発展にも貢献している。

 農学は今ブームとなっている。全国的に農学部の新設が相次ぎ、理系女子「リケジョ」に続き、「ノケジョ」という言葉も生まれた。九大でも1年生の約半数が女性という。

 九大農学部長の福田晋氏は「農学に対する学生のイメージが変わってきた。以前は『一次産業』という印象だったが、農学は生物資源を利用し、医療や環境、食料などいろんな分野に応用できる」と説明する。

 100周年を記念し、九大では10月19日、伊都キャンパスで記念式典や講演会を開く。久保千春学長は「農学部は大学ブランドグッズとして、ソーセージや大吟醸なども作っている。蓄積された知見を生かし、挑戦を続けたい」と語った。(高瀬真由子)

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