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運送業界の人手不足背景、大型車通行許可の申請増 手続きに時間、福岡では偽造摘発も

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 大型のトレーラーなど一定の大きさや重量を超える車両の運転に必要な特殊車両通行許可の申請が増え、手続きに時間がかかっている。人手不足の運送業界が積載量の多い大型車両への切り替えを進めているためで、許可証の偽造事件に発展する事例も出ている。

 「切り貼りじゃないか」

 昨年秋、福岡県警の豊前署員が、運送会社から提出された許可証の不審点に気付いた。車幅2・5メートル以内でなければ通行できない豊前市の国道を、セミトレーラーが通行しているとの情報があり、許可証の提出を会社に求めていた。

 過去の許可証から公印を切り取り、のりで貼る手口だった。署は今年5月、有印公文書偽造・同行使の疑いで北九州市にある営業所で所長を務めていた40代の男を逮捕した。捜査関係者によると、男は「申請がスムーズにいかなくなり、先延ばしを会社にばれないようにするため偽造した」という趣旨の供述をした。

 道路法では公道を走行する車両の上限を、車体の幅2・5メートル、長さ12メートル、重量20トンと規定する。制限を超えた車両は道路を壊す可能性があり、国土交通省や自治体の許可を得る必要がある。

 昨年度に国交省が許可した件数は平成25年度より6割増え、約45万件に上った。

 背景には人手不足がある。厚生労働省によると、今年4月の有効求人倍率は1・63倍(季節調整値)で、「貨物自動車運転手」に限れば2・83倍と大きく上回った。

 「若年層が長時間労働や低賃金を避ける傾向にあり、大型化が数年前から進んだ」。全日本トラック協会関係者は明かした。

 申請にはルートの提示が必要で、県道と市町村道のみの場合、管理する自治体が受け付けるが、国道が一つでも含まれていれば国交省に一括申請できる。

 国交省は平均審査期間は3週間程度とするが、同協会によると、長ければ100日ほどかかる場合もある。業者にとって、購入車両が使えないケースもあるという。同協会は昨年末、決裁の迅速化や審査態勢の強化を国に申し入れた。

 申請手続きに詳しい行政書士の前場亮氏は「一つのルートに複数の国道や県道、市町村道が含まれる例が多く、審査に時間がかかる要因の一つとなっている」と語った。地方道の3割が国のデータベースに登録されておらず、国交省は「情報の電子化を早急に進めたい」としている。

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