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熊本復興・活性化へ大輪の花 複合施設「サクラマチ」開業 将来に希望持てる拠点に

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「サクラマチ クマモト」のオープンを前に行列をつくる人々
「サクラマチ クマモト」のオープンを前に行列をつくる人々

 熊本市中心部の桜町地区に14日、再開発事業の中核となる大型複合施設「サクラマチ クマモト」が開業した。熊本地震で打撃を受けた経済の浮揚へ、期待が集まる。この日は県内を走る路面電車や路線バスの一部も無料となり、開業したばかりの新たなランドマークを見ようと、大勢の人が詰めかけた。

 午前8時45分。オープニングセレモニーの会場に、県立熊本工業高校吹奏楽部の演奏が響いた。

 開発主体である九州産業交通ホールディングス(熊本市)の矢田素史社長は「魅力ある中心市街地が形成できるよう、みなさまの英知を拝借し、連携を図る。居心地の良い場所となるよう磨き上げる」と意気込みを語った。

 蒲島郁夫知事が「創造的復興の最初の形がこの施設だ。熊本は不可能を可能にしている」と述べれば、熊本市の大西一史市長は「若い人が将来に希望を持てる拠点にしたい」と力強く話した。

 サクラマチは地上15階、地下1階で、5階以下の商業部分に149店舗が入る。3分の1の47店が熊本初出店、うち13店は九州初出店でもある。

 商業施設に加え、バスターミナルやホテル、マンション、国際会議などに使用できる「熊本城ホール」も併設された。施設の延べ床面積は計約16万平方メートルに達する。

 5階のデッキには、県のPRキャラクター「くまモン」の4メートル像が登場。外から眺める人に電動で手を振る。館内を自走し、観光情報を表示する「くまモン型ロボット」もお目見えした。

 施設にはオープン前から、大勢の人が列をつくった。同県益城町から訪れた那須寛千(ひろゆき)さん(60)は、熊本地震で自宅や実家が全壊したという。「熊本のシンボルとなる施設ができた。多くの人が県内を訪れ、魅力あるまちになることを期待している」と語った。

 熊本県合志市の介護士、松本仁美さん(31)は「県内初出店が多く、以前から気になっていた。大きな変化であり、まちが活気付く。福岡のキャナルシティ博多のような人気の施設になれば良いなと思う」と話した。

 総事業費は約777億円で、熊本市が約283億円を負担する。

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 再開発は平成20年に本格的に動き出した。区域にはもともと、バスターミナル「熊本交通センター」や県民百貨店があった。

 解体作業中の28年4月、熊本地震が発生した。

 益城町で震度7を2度観測し、死者は272人(関連死を含む)、住家被害は約19万8千棟に上った。

 市によると、熊本城や熊本駅を含む中心市街地の居住人口は、地震の前後で増加傾向から減少に転じた。特に若い世代で、消費マインドが低下したとのデータもある。

 市は、経済活性化の牽引(けんいん)役としても、中心市街地の再開発に力を入れた。さらに施設では建物の設計を見直し、耐震性を高めた。約1万1千人が3日間利用できる食料や水を備蓄し、防災拠点の機能を強化した。

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 熊本は大きく変わろうとしている。

 中心部では、商業施設「熊本パルコ」も、複合ビルへの建て替えが計画されている。

 JR九州は「サクラマチ クマモト」から南西2キロの熊本駅周辺で開発事業に取り組む。令和2年開業を目指して駅直結の大型オフィスビル(地上12階建て)を建設中。駅ビルそのものは、3年春の開業を予定する。

 さらに熊本市の南東に位置する御船町には、米国の商業チェーン「コストコ」が、3年春の進出を予定する。

 熊本は九州の中心に位置する。発展すれば周辺への波及効果も期待され、「福岡一極集中」に一石を投じることにもなる。(高瀬真由子)

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