PR

住民、鉄道復旧に温度差 日田彦山線で決起大会 バス転換容認意見も

PR

日田彦山線の早期復旧を求める決起大会に集まった住民ら=福岡県東峰村
日田彦山線の早期復旧を求める決起大会に集まった住民ら=福岡県東峰村

 平成29年7月の九州北部豪雨で被災し、一部区間で不通が続くJR日田彦山線をめぐり、鉄道での復旧を求める地域住民が31日、福岡県東峰村で決起大会を開いた。約400人が参加したが、村内や隣接する大分県日田市では、生活の足を早期に確保するため、バスへの転換を容認する声もある。復旧時期が見通せない中、沿線住民の意見の違いが表面化している。

 決起大会では地元住民が意見を表明し、「子供が通学に困らないよう、復旧を願う」などと鉄道の必要性を訴えた。早期復旧を求める決議文も採択した。

 大会は村民の一部が企画した。世話人代表となった地元の酒造会社代表、片岡拓之氏(51)は「行動を起こし、意志を目に見えるものとして発信しないといけない」と訴えた。

 福岡県議会議長ら県議5人も参加し、復旧への意気込みを述べた。渋谷博昭村長は「みなさんのあいさつで、JR九州が復旧を不当に延ばしているのが分かったと思う」と語った。

 ただ、沿線では一部で、JR九州が復旧案の一つとして示すバス高速輸送システム(BRT)を求める声もある。東峰村が行った復旧方法を尋ねるアンケートでは、回答した87人(村外を含む)のうち、自治体が財政負担をしない鉄道復旧が79人(95・2%)と大多数を占めたが、自治体負担ありの復旧が1人、BRTを選んだ人も3人いた。

 BRTを選んだ人は「早く(交通網を)復旧してほしいため」、財政負担ありの鉄道復旧を選択した人は「議論の平行線が続くなら仕方ない」と理由を書いていたという。

 この日の決起大会に訪れた男性(67)も「鉄道を望むが、何も交通手段がないよりバスがあった方がいい。気持ちは6対4だ。赤字路線の維持が難しいというJR九州の気持ちも分かる」と複雑な思いを語った。

 復旧方法をめぐっては、日田市が6月29日に開いた説明会で、78世帯でつくる一つの自治会が、BRTを含むバス輸送を希望すると表明した。関係者は、JR九州と自治体との議論が決着しない状況を踏まえ、「バス輸送が鉄道の代わりに実現できれば助かる」と訴えた。

 同市での8月6日の説明会でも「(高齢で)駅まで歩いていけない」などと、バスを求める声が出た。日田彦山線では、長い階段を上らなければホームに行けない駅がある。

 JR九州は、バスの場合は、利用に応じた柔軟な制度設計ができるとし、停留所の設置場所は住民の意見を聞いた上で検討する考えを示した。

 JR九州は、鉄道復旧には年1億6千万円の収支改善が必要と説明。その上で、収支改善を前提とした鉄道の復旧▽線路の一部を専用道にするBRT▽一般道を走るバス-の3案を提示している。

 JR九州の青柳俊彦社長は、8月28日の記者会見で「今の案にこういったアイデアを盛り込めば良いというのは勉強していきたい。最大限良い形で実現化する」と語り、住民の意見を取り入れる考えも示す。

 ただ、沿線3市町村は鉄道での復旧を要望する姿勢を崩しておらず、自治体とJR九州の議論は平行線をたどる。すでに被災から2年が過ぎた。鉄道にこだわるだけでは事態は打開できないが、双方が一致点を見いだすための作業は進んでいない。

この記事を共有する

おすすめ情報