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【参院選】佐賀で野党5党派そろい踏みも…国民、合従連衡に警戒感

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佐賀選挙区で野党統一候補を応援する5党派の国会対策委員長ら
佐賀選挙区で野党統一候補を応援する5党派の国会対策委員長ら

 参院選(21日投開票)で立憲民主、国民民主、共産など野党5党派の国会対策委員長や幹事長が17日、佐賀市に入り、統一候補を支援した。そろい踏みに支援者は沸いたが、全国的にみれば、野党の躍進は厳しい情勢だ。各党の中でも国民には、選挙後の合従連衡を見据えた警戒感がにじむ。 (中村雅和)

 昼過ぎ、JR佐賀駅前に辻元清美氏(立民)、原口一博氏(国民)、穀田恵二氏(共産)、広田一氏(社会保障を立て直す国民会議)-の4党派の国対委員長と、社民党の吉川元幹事長が集まった。5人はそろって国民の街宣車の上に立ち、野党統一候補への支援を呼びかけた。

 佐賀選挙区(改選1)は、自民の現職と、国民公認の野党統一候補が、一騎打ちを繰り広げている。

 穀田氏は5党派幹部のそろい踏みについて「参院選で全国で初めて。全野党が結束した試みだ」と強調した。

 辻元氏は年金問題や学校法人「森友学園」問題を取り上げ、政権批判を展開した。「皆さまの一票ではっきり決着つけていただきたい!」と呼びかけると、集まった聴衆は大きな拍手で応じた。

 国民の原口氏は、辻元氏を「親分肌の国対委員長で、何回も助けられた。恩人です」と持ち上げた。

 吉川氏を除く4人は、その後、近隣の公民館での集会にも参加し、支持を訴えた。

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 ■草刈り場

 佐賀県は平成29年10月の衆院選で、旧民進党系の候補が全2選挙区で勝った。県内全ての選挙区を野党が制したのは、全国唯一だった。

 衆院選後、1区の原口氏は国民へ、2区の大串博志氏は国民には行かず無所属のまま立民会派に入った。大串氏は国民県連にも、オブザーバーとして関わる。

 佐賀には立民の地方組織はない。この日の来援も含め、参院選の選挙活動は国民側が主導している。

 野党幹部がずらりと並んだ様子を、国民側は一抹の不安を抱きながら眺めた。

 ある陣営関係者は「もちろん、参院選で勝つことが最優先だ。ただ、選挙後を考えると、立民との関係を含め、党の行く末がどうなるか、不安はある」とこぼした。

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同調査(14、15両日)では、国民は改選8議席から5議席前後に減らす情勢だ。野党第1党の立民は、改選9議席から23議席前後に伸ばす勢いをみせる。

 参院選の後も将来展望が開けなければ、国民という政党の求心力は低下する。

 一方、自公に加え、日本維新の会など憲法改正に前向きな「改憲勢力」は、参院選で国会発議に必要な3分の2(164議席)を割り込む可能性がある。

 その場合、安倍晋三首相が悲願とする改憲に向かって、自民党は野党や無所属議員に手を伸ばす。これに立民も対抗するだろう。

 国民は、自民と立民による引き抜き工作の、草刈り場になりかねない。

 実際、ある立民参院議員は「元々は同じ仲間だったんだから、一つになるべきだ。ただ、その時には争いは起きるだろう。政治家の常だから」と語った。

 そんな中で、共産も含めた野党協力の動きに、国民支持者の目は厳しい。

 佐賀市の街頭演説に居合わせた民間労組の関係者は「国民民主は、穏健保守層の『かたまり』になれたはずだが、いつの間にか左旋回している。この流れは、選挙後も弱まりはしないだろう。政党間の力学しか見ない、支持者不在の選挙協力だ」と吐き捨てた。

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