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【参院選】佐賀・長崎 候補が触れない長崎新幹線

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長崎ルートの開業に向けて建設が進む諫早駅(長崎県諫早市)。未着工区間の議論は置いてけぼりだ
長崎ルートの開業に向けて建設が進む諫早駅(長崎県諫早市)。未着工区間の議論は置いてけぼりだ

 ■未決定の整備方式にあせる関係者「中断している場合か」

 参院選(21日投開票)の自民党公約の一つに、整備新幹線の未着工区間について、財源を確保しつつ早期着工を目指す-とある。いまだに整備方式が決まらない九州新幹線長崎ルート(博多-長崎)の地元選挙区では、自民も含め、候補が演説で新幹線を取り上げることはほとんどない。地元の盛り上がりがなければ、時短効果の低い「リレー方式」の長期化が現実味を帯びる。(九州総局 高瀬真由子、中村雅和)

 「レールが1本だけの社会を変えないといけない。人生の選択肢が多様な社会をつくる」。佐賀選挙区(改選1)の自民現職、山下雄平氏(39)は7日夜、佐賀市内で開いた個人演説会でこう訴えた。新幹線のレールをどうするかには、最後まで触れなかった。

 その理由について山下氏は、取材に「与党検討委員会の結論がまだ出ていない」と述べた。検討委が軸とするフル規格化についても「メリット、デメリットがある」と、賛否を明確にしなかった。

 長崎ルートのうち、未着工の新鳥栖-武雄温泉は当初想定していたフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発が暗礁に乗り上げた。その結果、フル規格かミニ新幹線かで、整備方式が決まっていない。

 佐賀選挙区で立候補している国民民主党の元職、犬塚直史氏(64)は、演説で新幹線問題に短く触れ、「(整備方式の決定より)FGT失敗の総括が先だ」と主張した。犬塚氏は、長崎選挙区で平成16年から参院議員を1期務めた。その頃から、長崎ルート整備には慎重だった。

 一方、長崎選挙区(改選1)の候補者は、フル規格への熱は高い。

 自民現職の古賀友一郎氏(51)は取材に「東京、名古屋、大阪がリニア中央新幹線で結ばれれば、巨大経済圏が誕生する。その経済圏と西九州を結びつけることは、地域の生き残りをかけた事業だ。長崎はもとより、佐賀の方にも理解いただくことが必要だ」と語った。

 国民の新人、白川鮎美氏(39)も「フル規格で整備すべきだ。リニアができれば長崎から東京まで4時間半でいける。大きな夢がある」と述べた。

 ただ古賀、白川両氏とも、こうした主張を街頭で展開することは、ほとんどない。

 ■避けて通れぬ

 長崎ルートの整備方式について、与党検討委は昨年夏、決定を1年先に延ばした。今年6月には「参院選後」に再度、先送りした。フル規格化の議論に、佐賀県が強く反発しているからだ。

 今後も整備方式が決まらなければ、長崎ルート整備は、北陸新幹線敦賀-新大阪など、別の地域に後れを取る。

 参院選は、地元で新幹線の議論を深める格好の機会だった。時間の制約や、「争点となっていない」などの理由はあるにしろ、議論が低調な状況に、地元関係者は危機感を持つ。

 佐賀県内の議員有志でつくる「フル規格促進議員の会」会長の平原嘉徳佐賀市議は「県民が関心を持っている問題には、選挙で候補自身の考えを述べてほしい。触れられないのは残念だ」と語った。自民党佐賀県連会長の留守茂幸県議も「避けては通れない大きな課題。禍根を残さない判断をする時期だ。間違えてはならない」と述べた。

 長崎県議の八江利春氏は「6月に佐賀でフル規格推進派のシンポジウムが開かれ、佐賀の雰囲気が変化したと感じる。選挙を通じて大いに議論を深めてほしい」と話した。

 佐賀を地盤とする今村雅弘衆院議員(比例九州)は「リレー方式が長期化すれば、『利用者不在』という声が出てくる。議論を中断している場合じゃない。他の地域に先を越されて、置いてけぼりにされると、認識しないといけない。候補者は大局的な観点が必要だ」と語った。

 ◇佐賀選挙区

 届け出順(1-2)

山下 雄平 39 元内閣政務官 自(竹)現 【公】

犬塚 直史 64 観光会社役員 国   元 【立】【社】

 ◇長崎選挙区

 届け出順(1-3)

古賀友一郎 51 総務政務官 自(岸)現 【公】

白川 鮎美 39 NPO理事 国   新 【立】【社】

神谷幸太郎 43 元会社員  諸   新 

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