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女子高生死傷事故初公判 「責任能力なし」無罪主張 遺族「怒りこみ上げてきた」 群馬

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 前橋市北代田町で1月、自転車で登校中の女子高生2人が乗用車にはねられ死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた同市下細井町の無職、川端清勝被告(86)の初公判が14日、前橋地裁(国井恒志裁判長)で開かれた。川端被告は、医師から車を運転しないよう注意されていたとする起訴内容を「医者から運転をやめろとは聞いていない」と否認。弁護側は、前頭側頭型認知症のため行動を制御する能力を欠き、責任能力がなかったとして無罪を主張した。(糸魚川千尋)

 「言われている文句がわかりません」

 車いすに乗り、黒いダウンベストとズボン姿で出廷した川端被告は耳が遠いためか、裁判長の質問が聞き取りづらい様子だった。罪状認否では「私は家を出て、交差点に行ったときから、どういうふうになったか分からなくなってしまった」とおぼつかない口調で話した。

 検察側は冒頭陳述で、川端被告が約2年前から複数回、めまいやふらつきの症状を訴え、医師から生活上の注意を受け、平成28年7月に自宅で意識を失って救急搬送された際も「低血圧によって意識を喪失した可能性が高い」と診断されたと指摘。自身も福祉センターで頻繁に血圧を測り、低い時には入浴を控えるなど自覚症状があったとした。

 これに対し、弁護側は、医師から運転をやめるよう注意を受けたことはなかったと反論。医師は低血圧への治療の必要性を認めておらず、血圧を下げる薬の副作用で意識を失った可能性が高いとした。

 この日は、川端被告の長男が証人として出廷。運転させないよう車の鍵を預かるか、タイヤの空気を抜こうか考えていたが、事故当日は普段よりも早い時刻に長男の妻の制止を無視して車に乗り込んだと明らかにした。「無罪は希望していない。父が自分の罪を十分受け止めることを願っている」と語った。

 起訴状によると、川端被告は今年1月9日午前8時25分ごろ、医師から車を運転しないよう注意されていたのに運転して低血圧による意識障害に陥り、対向車線の路側帯を自転車で走っていた市立前橋高1年の太田さくらさん=当時(16)=らに衝突、太田さんを死亡させ、もう1人に重傷を負わせたとしている。

 太田さんの両親は川端被告について、「謝罪や反省の言葉はなく、反省している様子は全く感じられない。改めて怒りがこみ上げてきた」とのコメントを発表した。次回公判は15日。

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