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【駅メロものがたり】未来に希望を 30代奔走 高橋優さん「明日はきっといい日になる」 JR秋田駅

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JR秋田駅西口にある高橋優さん直筆のサインボード=秋田市
JR秋田駅西口にある高橋優さん直筆のサインボード=秋田市

 駅で列車が発車する際に流れるメロディーは日本独自に発達してきた。海外では音もなく出発する駅が多いが、時間に厳格な日本ではベル音が採用され、耳に優しいメロディーに進化した経緯がある。街おこしのため、地域の人々がゆかりの歌の実現に奔走したケースもある。JR秋田駅は秋田県出身のシンガー・ソングライター、高橋優さん(34)の「明日はきっといい日になる」を採用。高橋さんと同世代の人々が歌に未来の希望を託した。 (藤沢志穂子)

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 「明日は-」は平成27年発表。「口ずさんでもらうことで明日をいい日にしようと考えた」と高橋さんが言うように、ライブでは大合唱になる代表曲の一つ。「いろんな人にとっての優しい音楽、笑顔になれる音楽を作りたかった」

 メロディーは昨年3月22日、秋田新幹線こまち20周年の日から採用された。

 「最初、両親を連れて聞きに行きました。僕の声が入っていないからか父が気づかず、もう一度流れるまで待っていた。僕の歌が駅で流れるなんて」

 横手市出身の高橋さんは北海道の大学に進学した後、路上ライブ活動を経て22年にデビュー。「高校を出たときは反抗期。秋田が嫌で家族からも離れたかった。出てすぐその良さに気がついた」。自然があり、人とのつながりがある。故郷の良さを多くの人に知ってほしいと28年から県内各市で毎夏、野外ライブ「秋田CARAVAN MUSIC FES」を主催。今年も9月1、2日に仙北市で開かれた。

 高橋さんと「明日は-」に着目したのがJR東日本秋田支社地域活性化推進室の吉田峰弘さん(33)=写真。昨年のこまち20周年と、同4月1日のJR秋田駅新装オープンに合わせ「東京から来た人にも分かり、秋田の希望を感じさせる発車メロディーを作りたかった」。当時の室長、永杉博正さん(41)と協議、「明日」を「秋田」に替え、高橋さんに「秋田はきっといい日になる」と書いてもらうことを発案した。駅西口にあるそのサインボードは、全国からファンが訪れて記念撮影する「聖地」となった。

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 メロディーに編曲したのは、秋田を拠点に活動するシンガー・ソングライター、渡部絢也さん(34)=写真。吉田さんから「15秒以下でピタッと終わり余韻が残る形」と発注された。全国の駅のメロディーをサイトで聴き比べ、JR茅ケ崎駅で使われているサザンオールスターズの「希望の轍(わだち)」を参考にした。「ポップスを発車メロディーに組み込んでも問題なく、前向きで明るい印象になると分かった。原曲のイメージを損なわず、前に進む力強さを演出できた」と振り返る。

 秋田市出身の渡部さんは市内の高校・大学を卒業して、3年間会社勤めをした後で音楽に専念。魚をコミカルに歌う「ちんあなごの歌」はイラストレーターのいせきあいさん(34)が手がけたアニメーションとともに秋田でヒット。最近は2人で子供向けのコンサートを主催している。「いつか僕も自分のオリジナルで発車メロディーを手がけてみたい」という。

 渡部さん、高橋さん、吉田さんとも30代前半。高橋さんは「こういう仕事をしていなければ、つながることのなかった人たちとつながれた。そういう人たちに届く歌をまた届けたい」と語った。

                   

 【JR秋田駅の発車メロディー】https://www.youtube.com/watch?v=yVv7O4ig2Vk (随時掲載)

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