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働き方改革に取り組まなければ淘汰 人材確保の観点で動き出す九州企業

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 働き方改革関連法案が25日、衆院厚生労働委員会で賛成多数で可決された。法案が成立すれば、職場環境改善への後押しとなる。働きやすい職場づくりは、人材確保の観点からも重視される。対応が後手に回れば、業績への打撃となりかねないだけに、九州・山口の企業も、危機感を持って改革に動き出した。 (高瀬真由子)

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 「なぜ今、働き方改革なのか。一つが、人口減少で電力需要が減るという予測だ。新しい事業で収益を確保しなければならないが、従業員は急には増えない。今までの事業を、少ないメンバーでやる必要がある」

 25日、九州電力が福岡市内で開いた働き方改革のイベントで、次期社長の池辺和弘常務は強調した。

 イベントでは、池辺氏ら九電の役員4人が、業務の効率化などについて意見交換し、社員200人が傍聴した。

 「行動に移さないと何も変わらない。上司は率先垂範を」「休め休めと言うだけでなく、部下に高めのチャレンジを与えることが重要だ」。役員からさまざまな意見が出た。

 一方、社員からは「時間外の仕事が悪とみなされがちだが、残って勉強したいときもある」と、柔軟性を求める声もあがった。

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 働き方改革は、企業の一大テーマとなっている。背景にあるのが、人材確保の難しさだ。

 イオングループのマックスバリュ九州(福岡市)は昨年3月、地域限定社員が配偶者の転勤先に異動できる「パートナー制度」を導入した。経験者の離職を防ぐ狙いだ。配偶者は他社で働いていても構わない。これまでに16件の申請があったという。

 人事担当者は「経験のある従業員が長く勤めることは、会社にもメリットが大きい。働き方の選択肢が広がれば、従業員は安心して働ける」と説明した。

 人手不足が顕著な飲食業界では、すでに複数の外食チェーンが深夜営業中止に舵を切った。業界関係者によると、最近の求職者は、給料よりも「週休2日」や「残業なし」など、働き方を重視する傾向がある。

 6月に福岡に進出する飲食業専門の人材紹介業、クックビズ(大阪市)の藪ノ賢次社長は「長時間労働が当たり前という風潮の業界だったが、業績が良い企業は働き方改革に積極的だ。逆に、取り組まなければ(従業員が集まらず)淘汰(とうた)が進む」と指摘した。

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 働き方改革では、長時間労働の是正だけでなく、やりがいや意欲向上も大きな要素となる。

 社会保険労務士法人、アドバンス(福岡市)は、職場にカフェを設け、従業員が勉強に励みやすい環境を整えた。資格取得に関する手当もある。平成29年度に福岡市の「働き方改革」推進企業に認定された。

 伴芳夫所長は「ワークライフバランスというと、ライフが重視されがちだが、ワークを充実させないと、やりがいにつながらない。今後ますます労働力人口は減り、採用は難しくなる。優秀な人材を定着させ、一人一人の戦力を上げないといけない」と語った。

 都市計画の立案や調査を手掛けるエスティ環境設計研究所(同)も、福岡市から同様の認定を受けた。社員の勉強会や資格取得の補助を通じ、意欲向上に努める。担当者は「社員の満足度が向上し、主体的に働く社員が増えた」と語った。

 未曾有の人手不足時代。働き方改革は従業員の幸せだけでなく、企業にとって成長の鍵を握る。

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