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九電工、インドネシア東部の離島の電力供給に寄与 「協力関係の新たな証」

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九電工、インドネシア東部の離島の電力供給に寄与 「協力関係の新たな証」

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発電制御システムの完成を記念し、石板にサインする九電工の田中義朗上席執行役員(手前)ら=19日、インドネシア・スンバ島 1/1枚

 【スンバ島(インドネシア)=中村雅和】九電工がインドネシア東部のスンバ島で建設していた太陽光発電と鉛蓄電池を組み合わせたハイブリッド発電制御システムが完成し、19日、政府関係者らも出席し、竣工(しゅんこう)式が開かれた。東南アジアの離島における電力安定供給への寄与が、期待される。

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 システムは出力約400キロワットの太陽光発電パネルと、鉛蓄電池を組み合わせた。当面、200~230キロワット時の電力を、1日のうち6時間、島の送電網に供給する。

 太陽光は発電量が気象条件に左右される。発電量が多いときに余剰分を蓄電池にため、不足時に放電する。太陽光発電の弱点を、蓄電池で補い、電力量を一定に保つ。

 九電工は、鉛蓄電池を使った充放電の制御システムの新技術を開発し、平成27年から、長崎県佐世保市のハウステンボスで実証実験をした。

 この日の式典で九電工の田中義朗上席執行役員は「安定出力化と保守技術の確立を目指す。プロジェクトは、日本とインドネシアの協力関係の新たな証だ。両国関係の深化にも貢献したい」とあいさつした。

 インドネシア側は、プロジェクトに期待を寄せる。

 式典にはインドネシア政府の技術評価応用庁(BPPT)からウングル・プリヤント長官に加え、次官級の幹部4人の計5人が出席した。ウングル氏は産経新聞の取材に対し「今回の事業が、電力安定化につながることを期待する。結果によって、(インドネシアで)導入が広がる」と述べた。

 南西スンバ県のナラ・タング・カハ副知事は「島では停電が頻発し、住民の生活や産業誘致に大きな障害となっている。安定した電力は地域の発展に不可欠だ」と述べた。

 九電工はスンバ島内の他の地域や、別の島へ展開も視野に入れる。今回稼働するシステムのデータを基に、より効率的な運用方法などを探る。田中氏は「インドネシア政府が進める再生可能エネルギーの発電量拡大を、技術面でサポートしたい」と語った。

 人口2億5千万人のインドネシアは、1万3千もの大小の島で構成される。多くの島では、不安定な電力が、生活や経済レベル向上の障壁となっている。