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三反園氏提案の原発検討委ようやく設置 鹿児島県議会が予算案可決

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三反園氏提案の原発検討委ようやく設置 鹿児島県議会が予算案可決

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 鹿児島県議会は16日、九州電力川内原発(薩摩川内市)の安全性を検証する「原子力問題検討委員会(仮称)」の経費を含む補正予算案を可決した。提案した三反園訓(みたぞの・さとし)知事が、原発をベースロード電源と“認めた”ことで、最大会派の自民党県議団が賛成に回った。三反園氏には今後、検討委の議論に加え、九電や地元自治体との関係構築に向けた「仕切り直し」が求められる。(高瀬真由子)

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 検討委設置は、三反園氏が7月の知事選で反原発団体と結んだ政策協定に、盛り込んでいた。

 当選直後、三反園氏は九電に2度にわたり原発停止を要請するなど、「脱原発」色をあらわにした。一方、鹿児島県議会は平成26年11月、川内原発再稼働に同意している。

 三反園氏の言動は、再稼働を認める現実路線に傾いた。それでも、自民党内には「三反園氏の原発に対する真意が分からない」などと警戒感は根強かった。

 今回、県議会で焦点となったのが、三反園氏が原発を「ベースロード電源」と認めるかどうかだった。

 26年4月に閣議決定された国のエネルギー基本計画では、原発を安価で昼夜を問わず一定の発電ができる「重要なベースロード電源」と位置付ける。

 今月8日の一般質問で、自民党議員から質疑を受けた三反園氏は「国のエネルギー基本計画で、ベースロード電源として原子力を位置づけていることは承知している」と答えた。しかし、自分自身が原発の必要性を認めるかについて、答弁を避けた。

 自民党県議団の追及は続いた。

 翌9日の総務委員会も、原発がベースロード電源かについて質疑が集中した。三反園氏の代わりに副知事が答弁し、三反園氏の見解として「(原発をベースロード電源とするエネルギー計画を)踏まえた上で、再生可能エネルギー県に少しずつ変身させる」と述べた。

 この発言をもって自民党側は、知事が原発の必要性を認識した、と判断した。補正予算案に賛成した。

 三反園氏は本会議終了後、記者団に「県民の安心安全のための環境が整った。検討委員会の意見を踏まえ(原発への対応を)総合的に判断したい」と述べた。

 検討委は原子力工学や地震学、防災などの専門家12人で構成され、来年3月末までに数回程度開催する。メンバーは現時点で公表していない。それでも、ようやく公約の一つが果たされたといえる。

 7月の知事選から5カ月。三反園氏は九電とは対立関係となり、県議会も紛糾した。

 原発やエネルギー政策と、数十年にわたって向き合ってきた薩摩川内市民からは「これまでの議論を理解していない」と批判の声が上がった。

 その薩摩川内市の岩切秀雄市長とは、原発についていまだに意見交換していない。市側には「議論の入り口の扉も開かれていない」との不満がたまる。

 検討委の議論も大切だが、まずは、薩摩川内市や九電との信頼関係の構築が求められる。

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