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【社説検証】《平昌五輪》朝日・東京は南北会談提案に理解 「北の攻勢が痛恨事」と産経

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平昌五輪アイスホッケー女子の日本戦を前に、「統一旗」を手にし、南北合同チームに声援を送る北朝鮮の応援団=2018年2月14日、韓国・江陵(共同)
平昌五輪アイスホッケー女子の日本戦を前に、「統一旗」を手にし、南北合同チームに声援を送る北朝鮮の応援団=2018年2月14日、韓国・江陵(共同)

 平昌冬季五輪は、日本にとって一大会最多のメダル獲得という、うれしい結果となった。一方、「南北融和」を旗印に乗り込んできた北朝鮮に振り回され、日本や米国を巻き込んだ外交駆け引きが繰り広げられるなど、政治色の濃い大会となった。各紙は閉幕の社説でも、北朝鮮問題を避けて通れなかった。

 「日本国内では羽生結弦、小平奈緒、高木姉妹らの金メダルや、高梨沙羅、カーリング選手らの泣き笑いが感動を呼んだ。やはり主役は選手である。東京五輪でも、その成否は日本選手の活躍が鍵を握る」。こう総括したのは産経である。毎日は、小平と敗れた韓国の李相花の抱擁を「ライバルを敬い、高め合うスポーツの原点を見た」と称賛した。

 平昌五輪の問題点は、2年後に控えた東京夏季五輪での課題でもある。産経や朝日、毎日が、ドーピングへの取り組みを訴えたほか、朝日や毎日、日経は、一部競技が深夜に及ぶなどした、欧米テレビの都合にあわせた日程の組み方を疑問視した。朝日は、交通渋滞や「観客席の大量空席」、入場券の不当な転売防止への対策を挙げた。

 「大会の最大の痛恨事は、北朝鮮の外交攻勢に翻弄されたことである」と産経は断じる。「核・ミサイル開発をめぐって国際的に孤立する北朝鮮は、五輪を好機と韓国にすり寄り、韓国も諾々とこれを受け入れた」と南北双方に批判の目を向けた。さらには、アイスホッケー女子の南北合同チームをめぐり、国際オリンピック委員会(IOC)が選手登録の人数を増やす特例を認めたことについて、「明らかなスポーツの軽視であり、五輪をおとしめ、禍根を残す措置だった」と難じた。

 読売も「開催国の韓国と、核・ミサイル開発に固執する北朝鮮が、最後まで政治利用した異例の大会だった」と評した。「北朝鮮の女性応援団は、周囲にはばかることなく、歌い踊った。独裁体制の異様さを一般の観衆に印象付けたことだろう」と冷ややかに論じた。

 平昌五輪への北朝鮮の参加は、開幕直前に決まった。軍事挑発を繰り返していた金正恩政権が「ほほ笑み外交」に転じ、南北対話に意欲的な韓国の文在寅政権との間で、合同チーム結成、芸術団の派遣など、とんとん拍子に事が運んだ。「北朝鮮の勝手にさせるな」(2月6日付産経)や「『北』の政治宣伝は許されない」(9日付読売)など、五輪開幕前らしからぬ見出しも並んだ。

 開会式出席のため訪韓した金正恩氏の妹、与正氏は文大統領に訪朝を要請した。南北首脳会談開催を提案したのだが、毎日(11日付)は「筋の悪いくせ球だ。独裁者のエゴを貫くために計算され尽くした甘い言葉に、惑わされてはいけない」と手厳しかった。産経(同)も「韓国や日本、さらに国際社会は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に直面している。その状況を打開することにつながらない限り、南北対話の進展は有害でもある」と主張した。

 「北朝鮮のねらいがどうあれ、南北の指導者による直接の話しあいは本来、あるべき姿である」と理解を示したのが朝日(同)である。金正恩氏に非核化を説得し、南北だけでなく米朝、日朝へと対話の枠を広げる。そうした役割を文大統領に求めた。東京(同)も南北首脳会談を「実現させたい」とし、南北関係改善だけでなく、核・ミサイル協議と米朝対話も忘れぬようにと説いた。

 平昌では9日から、やはり北朝鮮が参加してパラリンピックが開催される。北朝鮮高官は「米国との対話の用意」にも言及した。「ほほ笑み外交」が続き、背後で米朝の駆け引きが活発化するのか。なお、「政治」に注目せざるを得ない。(内畠嗣雅)

 ■平昌五輪閉幕に際しての主な社説

【産経】

 ・東京の成功へひた走ろう(2月26日付)

【朝日】

 ・五輪への思いをつなぐ(2月27日付)

【毎日】

 ・多くの感動残した17日間(2月26日付)

【読売】

 ・開催国の振る舞いが問われた(2月26日付)

【日経】

 ・平昌の成果で東京に弾みを(2月25日付)

 ・五輪使った北の融和攻勢に安易に乗るな(2月27日付)

【東京】

 ・スポーツの力を見せた(2月26日付)

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