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【平昌五輪】「ハイペースで力をつかってしまった」 言い訳嫌う渡部暁斗 本当の敗因は滑らぬスキー

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「ハイペースで力をつかってしまった」 言い訳嫌う渡部暁斗 本当の敗因は滑らぬスキー

平昌五輪更新
ノルディック複合・個人ラージヒル 5位に終わった渡部暁斗=20日、韓国・平昌のアルペンシア距離センター(納冨康撮影) 1/5枚

 力を振り絞って上りで前に出ても、下りで追いつかれ、引き離された。

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 「前半とりあえず逃げてみようと思って、けっこうハイペースで入ってしまったっていうのもありましたし、そこで力を使ってしまった」

 渡部暁斗(北野建設)は敗因を自らのペース配分に求めたが、もっと致命的な要因があったことは、誰の目にも明らかだった。

 1秒後にスタートしたヤールマグヌス・リーベル(ノルウェー)は渡部よりも走力が劣る。その選手を引き離すことができない。スキーが滑らない-。渡部自身、心の中でそう感じていたことは、レース後のコメントに表れていた。

 「ノルウェーの選手も、きょうは彼の方がかなりスキーが滑ってる感じで、前行ってくれ、ほしいなって思ったときもあったんですけど」

 滑らないスキーはスタミナを奪う。集団に飲み込まれた4周目、スパートをかけたが、またすぐにドイツ勢に囲まれた。勝負どころの最後の上りに入る前、スキーが重なってしまったのも、疲労が蓄積していたからだ。

 「自分が仕掛けようと思ってたところで最後、残ってる力振り絞って仕掛けてみたんですけど、少し至らなかった」

 1995年にカナダ・サンダーベイで行われた世界選手権。当時、世界の頂点に立っていた荻原健司は、前半飛躍で首位に立ちながら、この日の渡部と同じようにスキーが滑らず5位に沈んだ。ワックスの選択ミスだった。泣き言をこぼしたことのなかった荻原も、「きょうばかりはスキーを折りたくなった」と吐き捨てた。

 すべてがかみ合って初めて手にできるのが五輪の金メダル。スキー板の滑りは勝負を左右する。しかし用意された数本のスキー板の中から、最後に1本を選ぶのは選手自身だ。「厳しかったですね」。言い訳を嫌う渡部の潔さが、よけいに悔しさを感じさせた。(五輪速報班)

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  • 個人ラージヒルで5位に終わり、取材に応じる渡部暁斗=平昌(共同)
  • 個人ラージヒルで5位に終わり、取材に応じる渡部暁斗=平昌(共同)
  • ノルディック複合・個人ラージヒル 後半の距離で、ゴール後に倒れ込む渡部暁斗。右は表彰台独占のドイツ勢=20日、韓国・平昌のアルペンシア距離センター(撮影・早坂洋祐)
  • ノルディック複合・個人ラージヒル 後半の距離で、ゴール後に倒れ込む渡部暁斗。右は表彰台独占のドイツ勢=20日、韓国・平昌のアルペンシア距離センター(撮影・早坂洋祐)

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