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【平昌へ 支える人たち】(下)複合・暁斗を導く荻原健司GM 「キング・オブ・スキー」矜持伝授

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(下)複合・暁斗を導く荻原健司GM 「キング・オブ・スキー」矜持伝授

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トレーニングの合間に渡部暁(左)と談笑する荻原さん(右)。まな弟子の金メダル獲得に期待する(奥山次郎撮影) 1/1枚

 11月25日にフィンランドで行われたノルディックスキー複合のW杯個人第2戦を制した渡部暁斗(29)=北野建設=は興奮を隠せなかった。区切りとなるW杯通算10勝目が感慨深かったのではない。頭にあったのは日本人最多のW杯通算19勝。「日本の複合選手なら絶対に意識する数字。折り返し地点までようやくきた」とほほ笑んだ。

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 19勝を挙げたのは、所属する北野建設スキー部の荻原健司ゼネラルマネジャー(GM)=(48)。1992~93年シーズンからW杯個人総合で3連覇。世界選手権でも個人、団体とも2度ずつ優勝し、五輪では92年のアルベールビル大会から2大会連続で団体金メダル獲得に貢献。複合の王者に贈られる「キング・オブ・スキー」の称号を手にした唯一の日本人だ。

 二人三脚が始まったのは、荻原さんが当時スキー部長だった北野建設に渡部暁が入社してきた2011年。「複合といえば健司さん」。憧れの目を向けるホープに、荻原さんは自身の経験を伝えてきた。

 事細かくアドバイスを送るわけではない。すべての遠征に同伴もしない。それでも通算10勝目を飾ったW杯の前半飛躍直後には国際電話で直接チェックポイントを伝えるなど、随所で渡部暁の感性を尊重しながらの指導を続けている。「健司さんのW杯通算19勝を超えるまで現役をやめられない」とは渡部暁。圧倒的な実績はまな弟子を奮い立たせる一因になっている。

 ソチ五輪後、個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得した渡部暁に口を酸っぱくしていってきたのは第一人者の心構え。「勝って注目されたときに複合をアピールしろ」。認知度向上で競技の発展に貢献した自身の経験をいい聞かせ、「暁斗の最もうれしい変化は、複合界全体を考えて取材にも快く応じるようになったこと」と喜ぶ。

 まな弟子に期待するのはもちろん、複合の個人種目で日本初の五輪金メダル獲得だ。6季連続でW杯個人総合3位以内をキープする渡部暁の力を「時代は違うが、私を超えている」と認める。日本選手2人目となる「キング・オブ・スキー」誕生の瞬間を心待ちにしている。(奥山次郎)

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