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池江璃花子、東京五輪へチャンス膨らむ 代表選考、本命種目は?

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予選前の練習で笑顔をみせる池江璃花子=21日、東京辰巳国際水泳場(代表撮影)
予選前の練習で笑顔をみせる池江璃花子=21日、東京辰巳国際水泳場(代表撮影)
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 「第2の水泳人生」は驚異的な成長曲線を描いている。21日まで東京辰巳国際水泳場で開催された競泳の東京都オープンで、池江璃花子(20)=ルネサンス=が女子50メートルバタフライで白血病からの復帰後初優勝を飾った。自身の日本記録に0秒66と迫る25秒77は、今季の日本ランク1位の好タイム。東京五輪代表選考会となる4月の日本選手権(3~10日、東京アクアティクスセンター)への出場も明言し、夏の大舞台出場へ期待が膨らむ大会となった。

 昨年8月の実戦復帰後、5戦目で初解禁した得意のバタフライで地力を見せつけた。非五輪種目ながら、50メートルバタフライで池江がマークしたタイムは、2019年世界選手権なら8位相当。トップ選手が集う大会ではないものの、「まずはどんな試合でも1位を取れたのはうれしい。タイムもついてきて、今後に向けていい自信につながった」と喜びを口にした。

 一方、前日に泳いだ100メートルバタフライは体力面での課題が浮き彫りになった。「ラスト10メートルで自分の体の動かなさに、ちょっとこれはやばいと思った」というように、後半で伸びを欠いて59秒44の3位。電光掲示板には、2018年に自身がマークした日本記録56秒08が表示されていた。「あれが自分のタイムと思うと考えられない。若干きょうのレースで自信をなくしかけそうになった」と吐露。闘病を経て、練習を再開してからまだ1年足らず。瞬発力とともに持久力も求められる100メートルでの完全復活にはまだ至っていない。

 バタフライは4泳法の中でも筋力や体力が特に必要とされる種目。復帰後は体力面の負担も考慮し、自由形種目に絞って出場してきた。ただ、4月の日本選手権に出場するには、事前に参加標準記録を突破する必要がある。池江にとってとりわけ100メートルバタフライは、世界の強豪と渡り合ってきた思い入れの強い種目でもある。

 西崎勇コーチは「最大限に可能性を広げた中で何が一番最善なのかをチョイスして方向性を出したいよね、というのを半年前から話していた」と、今大会でチャレンジした理由を明かした。

 狙いは的中し、今大会を経て日本選手権へ50メートル、100メートルの自由形とバタフライの計4種目での出場権をほぼ手中に収めた。

 東京五輪での個人種目出場には、日本選手権で日本水泳連盟が定めた各種目の派遣標準記録を突破した上で、2位以内に入る必要がある。100メートルバタフライは個人の派遣記録まで2秒以上の差がある。50メートル自由形は派遣標準記録まで0秒45と迫っているが、短距離種目でこの差を縮めるのは容易ではない。最も代表入りの可能性が高いのは、4枠ある400メートルリレーの選手選考を兼ねる100メートル自由形になるだろう。

 400メートルリレーは、100メートル自由形の上位4人で計3分37秒68を突破すれば当該選手が選出される。それに該当しなかった場合は、54秒42の派遣標準記録を突破した選手が選ばれる仕組みになっている。池江は、1月の北島康介杯で55秒35をマークした。個人種目での派遣標準記録までは2秒04縮める必要があるが、リレーなら0秒93差。前後半で0秒50ずつラップを上げられれば、チャンスは十二分にある。

 問題はバタフライのエントリーをどうするか。仮に大会1、2日目の100メートルバタフライに出場した場合、100メートル自由形の予選まで中2日空く。身体的なダメージを考えれば自由形に絞ったほうがいいかもしれないが、五輪イヤーの日本選手権は、異様な緊張感が漂う。会場の空気感を知るために、あえて初日に泳ぐという手もあるだろう。

 西崎コーチは「(レースを泳いだ)翌日に体にどうダメージが来るのか。ダメージが来たところから2日間で、どうフリー(自由形)につなげる展開にもっていけるのか。しっかり分析して、種目を決めていきたい。あくまで本人の意思が大切。トライするというのであれば、全力で狙いに行く」と話し、今週中にもエントリー種目を決める方針を示している。

 一昨年末の退院直後、池江は2024年パリ五輪でのメダル獲得を目標に掲げた。その思いは今も変わりないが、得意のバタフライで短距離種目なら世界レベルにまで戻ってきたことを証明してみせた今、東京五輪を語る言葉も前向きになっている。

 「まだ、(五輪が)あるかないか決まっていないが、アスリートとして狙っているところはみんな一緒だと思っている。自分もそこに向けて全力で頑張る」。

 エントリーの締め切りは3月10日。五輪切符がかかる大一番へ、どんな選択をするのか注目が集まる。(運動部 川峯千尋)

■池江の復帰後のベストタイムと派遣標準記録

種目/派遣標準記録/復帰後のベストタイム

50メートル自由形/24秒46/24秒91

100メートル自由形/53秒31/55秒35

(400メートルリレー)/54秒42/同上

100メートルバタフライ/57秒10/59秒44

■池江が日本選手権の参加標準記録を突破した4種目の競技日程

4月3日 100メートルバタフライ予選

     100メートルバタフライ準決勝

  4日 100メートルバタフライ決勝

  5日 なし

  6日 なし

  7日 100メートル自由形予選

     100メートル自由形準決勝

  8日 100メートル自由形決勝

  9日 50メートル自由形予選

     50メートル自由形準決勝

 10日 50メートルバタフライ予選

     50メートルバタフライ決勝

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