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“CIA機密文書”も 国内唯一? 福島にUFO情報展示施設

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緑豊かな山道で道案内してくれるのは宇宙人=福島市(芹沢伸生撮影)
緑豊かな山道で道案内してくれるのは宇宙人=福島市(芹沢伸生撮影)
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 6月17日朝、宮城、福島両県などで上空を漂う白い物体が目撃され「UFO(未確認飛行物体)か?」と、日本中がざわついたのは記憶に新しい。このような情報が流れると、その正体について問い合わせが集中する施設が福島市にある。「UFOふれあい館」。そこには、UFOの調査記録をまとめた900ページを超える「CIA機密文書」をはじめ、数千点のUFO関連資料が集められている。関係者は「国内で唯一、UFO情報を集めた施設」と説明する。(芹沢伸生)

宇宙人に導かれ

 福島の市街地から国道114号を南東へ。少しすると景色は住宅街から緑豊かな山あいに変わる。山道を10キロ余り走ること約15分。少し怪しそうな「UFOの里」の看板が目に入った。国道を外れしばらく坂を上ると、今度は宇宙人の道案内。いよいよ怪しい。その先には、山腹に着陸したUFOのような正八角形の建物が鎮座していた。

 ここ「UFOふれあい館」(福島市飯野町)は、平成4年にオープンした公共の施設。昭和63年、竹下内閣が全国の自治体に一律1億円を交付した「ふるさと創生事業」をきっかけに、当時の飯野町が作った。平成20年に福島市と飯野町が合併した後は福島市の施設となった。現在は委託を受けた飯野町振興公社が運営している。

数多い目撃談

 なぜ、UFOなのか。この施設は千貫森(せんがんもり)と呼ばれる標高462メートルの山の中腹にある。千貫森は、どの方向から見てもきれいな円錐(えんすい)形に見えるのが特徴だ。小雨が降る中、登山道に入ると、時折吹き抜ける風が木々の葉を揺らしていた。葉がこすれる音であたりがざわめき、不思議な感覚に陥る。

 こんな神秘的な雰囲気のためか、千貫森には「人工的に造られた古代のピラミッド」との説があった。また、地質が磁気を帯び、方位磁石が役に立たなくなるとの話もあり「UFOの基地」と、全国的に注目を集めた時期もあったという。一帯では未確認飛行物体の目撃談も多いという。

“CIAの機密文書”の一部は常設展示されている=福島市のUFOふれあい館(芹沢伸生撮影)
“CIAの機密文書”の一部は常設展示されている=福島市のUFOふれあい館(芹沢伸生撮影)
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 町おこしのアイデアを考えたとき、真っ先に浮かんだのがUFOだったというのもうなずける。福島市街地で関連取材を進めていると「千貫森はヤバい。本当に出ますから…」と真顔で話す20代の女性もいた。

本格的な所蔵品

 館内はUFOエリア、UFOの歴史コーナー、写真パネル、3Dバーチャルシアターなどで構成。UFOの写真、著名な事件の経緯を記したパネルなど、興味深い展示物が少なくない。4千~5千点とされる所蔵品は本格的。すべて寄贈品で、その多くは書籍や写真パネル、UFOが関係した“事件”の資料などだ。

 このうち約3千点は、昭和30年に「日本空飛ぶ円盤研究会」を結成した日本のUFO研究のパイオニア、故荒井欣一氏のコレクション。荒井氏が亡くなった平成14年、東京・五反田に荒井氏が開設したUFOライブラリーなどから運ばれてきた。研究会には三島由紀夫、星新一など著名人も名を連ねていたという。

CIA機密文書?

 膨大な資料の中でも、特に注目される展示品が「CIAの機密文書」。荒井氏が米国の知人を通じて入手したとされる文書のコピーで、その数935枚とも。

 中身はUFOの目撃記録や調査報告という。1969(昭和44)年、米大統領が会合で同席した10数人とともに、100メートルの距離で光る物体を目撃した話や、1976(昭和51)年9月、イラン上空で複数のUFOと遭遇した米空軍機がミサイルを発射する際、計器が壊れ撃てなかったことなどが記されているとされる。

 UFOふれあい館を運営する振興公社の菅野利男事務局長(70)は「受付印のようなものや、CIAのマークなどもあり本物と考えている」と説明する。この文書は「UFOの日」の6月24日、1日限りで初めて全文を一般公開し、平日にも関わらず180人以上が見学に訪れた。中には熱心に翻訳するファンもいたという。

 UFOの日は1947(昭和22)年6月24日、米国の実業家、ケネス・アーノルドが自家用機を操縦中、空飛ぶ円盤を目撃、後に米空軍がこれをUFOと呼ぶようになったことから定められた。

リアルなUFOの模型も展示されている=福島市のUFOふれあい館(芹沢伸生撮影)
リアルなUFOの模型も展示されている=福島市のUFOふれあい館(芹沢伸生撮影)
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 機密文書について菅野事務局長は「反響が大きくて驚いた。今後も機会を作って公開したい」と考えている。

豪州のマニアも

 ここを訪れる人は年間約1万5千人で、半分は県外からやってくる。マニアは北海道から沖縄まで、全国から足を運ぶ。中には、オーストラリアから来た60代の夫婦もいたという。最近の傾向について菅野事務局長は「SNSの発信に力を入れており、マニアでなくても興味を持ってくれる人が増えている」という。

 菅野事務局長は「UFO関係では国内唯一の施設」とみている。知名度は高く、6月に白い球体が東北各地で目撃された際は「正体は?」「何か情報は?」などの問い合わせが、市民やマスコミから相次いだ。この時の対応について菅野事務局長は「UFOには普通、動きがある。静止したものは聞いたことがない。断定はできないが気球みたいで、UFOには該当しないと答えた」と振り返るが「ここは研究機関ではないので…」と言うのも忘れなかった。

読書ざんまいも可能

 実はこの施設、2階には雄大な景色が広がる日帰り湯や広間があり、こちらは地元の人の憩いの場としてにぎわっている。1階に展示されている大量のUFOに関する書籍は、貸し出しはNGだが閲覧は可能。2階の広間で読むことができる。風呂を楽しみつつ、一日中読書というのも悪くない。

 「マニアに限らず楽しみ方はさまざま。UFOを否定する人もいるし、夢やロマンを感じる人もいる。考え方はいろいろあっていい。それが良さでは」と菅野事務局長。

 最後に目撃経験を聞くと、菅野事務局長は「ないんです」とキッパリ。ただ「いると思う。信じている」と付け加えた。

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