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【ビジネス解読】アスリートうんち集めた元Jリーガー、“腸活”は「小学校就学前から」

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スタートアップ企業を選出するコンテスト「モーニングピッチスペシャルエディション2020」で事業戦略を説明するオーブの鈴木啓太社長=令和2年1月
スタートアップ企業を選出するコンテスト「モーニングピッチスペシャルエディション2020」で事業戦略を説明するオーブの鈴木啓太社長=令和2年1月

 腸内環境を整えて健康を手に入れる「腸活」への関心が高まる中、サッカー元日本代表の鈴木啓太氏が社長を務めるAuB(オーブ、東京都中央区)は、日頃から健康と食事に気を使うアスリートの腸内環境に近づけるサプリメントを商品化、健康志向のビジネスマンを中心に支持を得つつある。腸内環境は、小学校就学前までの食事などで決まるといわれている。近年、便秘に悩む子供が増えており、腸活が役立ちそうだ。

 オーブが発売したのは、腸活サプリ「AuB BASE(オーブ ベース)」。

 アスリートの腸内には免疫機能を整えたり、腸の動きを活発にしたりする酪酸菌が多く、菌の多様性(種類の豊富さ)が高い。オーブはその知見を生かし、酪酸菌をメインに29種類の菌を配合した独自の「アスリート菌ミックス」を開発した。試作品を一般モニターに2週間摂取してもらったところ、平均して酪酸菌を3.7%、菌の多様性を7.5%増加させるという検証結果を得た。

 現役時代から腸内環境の重要性を認識していた鈴木氏。平成27年10月の創業以来、知人などのつてを頼って超一流といわれるアスリートを訪ねて、「うんち(便)頂戴」と声をかけ、腸内細菌を集めてきた。

 今でこそ腸内環境が健康に与える影響が注目され、便は“茶色いダイヤ”といわれるが、当時は呼びかけるとけげんな顔をされた。昨年のラグビーワールドカップ日本大会で大活躍した松島幸太朗選手の第一声は「えっ、何言っているの?」と若干引き気味だった。鈴木氏は「将来のため。アスリートのためになるから」と半強制的に押し切ったという。

 箱根駅伝で青山学院時代に「山の神」と呼ばれたプロランナーの神野大地選手、プロ野球・東京ヤクルトスワローズの嶋基宏選手といったトップアスリートが続々と協力。その数は500人を超え、検体数は1000を突破した。

 「世界的にみても、これだけのアスリートの便をもつ会社はない」と自負するほどで、アスリートの腸内細菌を研究する米ハーバード大発ベンチャーから「どうやって集めるの?」「なぜそんなに協力してくれるの?」と悔しがられるほどだ。

 4年間で500人超の研究データの希少性を評価した大学や企業からは、共同研究の依頼が舞い込む。香川大学とは30年4月に共同研究を開始。至学館大学や京都大学とも手を組む。食品メーカーからも、自社の持つ商品がアスリートの腸内環境に与える影響を研究したいと声をかけられる。

 腸内環境を整えると腸本来の働きである消化・吸収が効率よく行われ、必要な栄養素を体内に摂取し不要なものを排出する流れがスムーズになる。内臓の代謝も促す。ウイルスへの免疫も高まり、美肌効果も期待できるという。

 腸活サプリは昨年12月に自社ECサイトで発売したが、事前に購入を募ったこともあって大きな広告宣伝をかけずに約2カ月で1000人超の定期購入者を獲得。年内に1万人を目指す。鈴木氏は「4年間の研究開発を経て、サプリ販売で『稼ぐ』という第2フェーズに入った」と意気込む。

 次のターゲットの一つが、小学校就学前の子供だ。鈴木氏は「腸内環境は3~5歳で決まるといわれており、保育園などにもアプローチしていく」と話す。

 そのため、アスリート菌を生かした商品を増やすとともに、腸内に住む菌の種類や構成などが決まる3~5歳児が飲みやすいように、現状のカプセルとは違うタイプを開発する考えだ。

 乳幼児の腸内は善玉菌の代表であるビフィズス菌が多く存在しているが、離乳食が始まるとさまざまな悪玉菌が増えてくる。悪玉菌が増えると腸の動きが鈍くなり、便を押し出す力が弱くなって、便秘になりやすい。

 NPO法人日本トイレ研究所の2017年6月発表の調査によると、小学生の6人に1人(16.6%)が便秘状態にあるという。

 現代の子供において、便秘問題は深刻な状況だといえる。オーブは今後、親や保育園などに対し、日本の将来を担う子供の腸活の重要性を訴えていく。(経済本部 松岡健夫)

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