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「天皇の料理番」秋山徳蔵のメニューが3月復刻

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秋山徳蔵のメニューを復刻させた「キッシュのロレーヌ風」
秋山徳蔵のメニューを復刻させた「キッシュのロレーヌ風」
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 大正から昭和にかけ、皇室の調理をつかさどる「宮内省厨司長(ちゅうしちょう)」=現・宮内庁主厨長(しゅちゅうちょう)=として宮中の食事を支え、テレビドラマにもなった“天皇の料理番”秋山徳蔵(1888~1974)のレシピが3月、秋山の出身地・福井県内で復刻する。「キッシュのロレーヌ風」「エスカルゴのブルゴーニュ風」など7品。秋山の名を汚さぬよう、一部の調理法などを主催側が指定した“本格派”だ。

3月から約10店で

復刻メニューの調理手順を説明しながら、実演する講師役のシェフ=福井県永平寺町
復刻メニューの調理手順を説明しながら、実演する講師役のシェフ=福井県永平寺町
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 「水分があると、大事な塩味が濁ってしまう。アッシェ(みじん切りに)したら水分を拭き取って」

 1月下旬、福井県永平寺町の「天谷調理製菓専門学校」で開かれた調理の実演講習会。「エスカルゴのブルゴーニュ風」の調理手順で、味を決めるバターにパセリやニンニクのみじん切りを混ぜ合わせる際の注意点が説明されると、料理店の調理担当者らは講師の手元を映した画面に熱い視線を向けた。

秋山徳蔵のメニューを復刻させた「エスカルゴのブルゴーニュ風」
秋山徳蔵のメニューを復刻させた「エスカルゴのブルゴーニュ風」
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 復刻メニューの提供は、全日本司厨士(しちゅうし)協会福井県本部と福井県が秋山を顕彰しようと企画し、県内の料理店約10店が参加する。

 徳蔵の生涯を題材にした小説「天皇の料理番」のテレビドラマ化を機に平成27~29年、県内飲食店でゆかりのメニューを提供したことはあったが、各年1カ月ほどの期間限定だった。今回は定着化をねらい、復刻したメニューを中心に通年提供を目指すという。

料理人の「バイブル」

 秋山は明治21年、福井県村国村(現在の越前市)に生まれた。10代半ば、陸軍鯖江歩兵第三十六連隊で作られたカツレツを味わい、感動して西洋料理の道を志したという。

 42年、シベリア鉄道に乗って渡欧。ベルリン、パリのホテルで修業に励み、大正2年に帰国すると、翌3年に26歳にして宮内省の厨司長に就任した。その後、大正天皇、昭和天皇即位の御大礼で祝宴を取り仕切り、84歳まで宮中の料理を任された。

秋山徳蔵(福井県提供)
秋山徳蔵(福井県提供)
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 日本での西洋料理の普及にも大きく貢献。大正12年に日本初の西洋料理の手引書「仏蘭西料理全書」を刊行し、長く料理人たちの「バイブル」となった。洋酒にも精通し、同13年に「カクテル(混合酒調合法)」をまとめている。

秋山徳蔵思い出の味も

 復刻で提供するメニューは次の通り。

 《牛フィレ肉のトゥルヌード ルネッサンス風》

 《福井県産鮮魚のヴァン・ブランソース》

 《キッシュのロレーヌ風》

 《オニオングラタンスープ》

 《エスカルゴのブルゴーニュ風》

 《ビーフカツレツ秋山徳蔵風》

 《秋山四郎直伝のビーフカレー》

 「仏蘭西料理全書」や秋山が提供した宮内庁晩餐会(ばんさんかい)メニューから選んだ5品に、秋山が料理人となるきっかけになったカツレツ、秋山の息子の四郎氏から直接作り方を教わったビーフカレーの2品を合わせた計7品で、同協会が監修した。

秋山徳蔵が料理人を目指したきっかけとされるカツレツをモチーフにした「ビーフカツレツ秋山徳蔵風」
秋山徳蔵が料理人を目指したきっかけとされるカツレツをモチーフにした「ビーフカツレツ秋山徳蔵風」
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 当時の料理に近づけるため、秋山のレシピには記されていない部分まで検討。例えば「キッシュのロレーヌ風」では、スイス原産のグリュイエールチーズを指定。「エスカルゴのブルゴーニュ風」では、エスカルゴがフランス以外にも産地が広がっていることから、フランス産と明示している。

 県本部の大崎新仁理事長は「福井で生まれた料理界の巨人のメニューを継承し、その名を残していきたい」と話していた。

 復刻メニューの提供店など問い合わせは福井県流通販売課(0776・20・0421)。

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