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スーパー高校生が日本バスケを変える 18歳Bリーガー河村勇輝

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 プロバスケットボール男子のBリーグで、最年少デビューを果たした高校3年生が日本のバスケット界に活気をもたらしている。Bリーグ1部(B1)の三遠ネオフェニックスに加入した河村勇輝(18)=福岡第一高=だ。身長172センチの小柄なポイントガードの武器は、抜群のスピードとパスセンス。「超高校級」と評価されてきた才能は、プロ選手相手でも堂々たるプレーを続けている。将来の日本代表、NBA入りへと期待は膨らむ。 (上阪正人)

ブーイングにも「いい経験」

 ルーキーへの手厳しい洗礼。いや、敵地の観客からもプロとして認められている証といえるだろう。

 2月8日、滋賀県守山市民体育館で行われた滋賀レイクスターズ戦。フリースローを投じようとした河村に、滋賀ファンから一斉にブーイングが浴びせられた。その影響か、河村はスローを外してしまった。その後もフリースローのたびにブーイングは続いたが、試合後、「全てのことが初めてでいい経験になっている」と意に介さなかった。

 司令塔のポイントガードを務める河村の武器は、体格を補って余りあるスピードに乗ったドリブル突破と、広い視野を生かした巧みなパス。シュート力にも優れ、物怖じしないメンタルの強さも魅力だ。

 8、9日の連戦となった滋賀戦では、自らインサイドに切り込んでのレイアップや3点シュートを次々と決め、初戦は11得点、2戦目はチームトップの19得点をマーク。得意のノールックパスも披露した。

 同じポジションで対峙した滋賀の斎藤拓実(24)は「自分が高校生の時にはあんなにうまくなかった」。シューティングガード兼スモールフォワードの前田怜緒(22)も「これまでと違う環境なのに、落ち着いている。すごいメンタルの持ち主だなと思う」と舌を巻いた。

代表司令塔も認めた才能

 小学生の頃にバスケットを始めた河村は、中学卒業後に地元の山口県を離れて強豪の福岡第一高に進学。昨年は8月の全国高校総体優勝に続いて12月の全国高校選手権では2連覇し、チームを2冠に導いた。高校バスケット界最大のスター選手だ。

 その間には全日本選手権3回戦でBリーグ3部(B3)の鹿児島レブナイズに勝利。11月の4回戦では2年連続Bリーグ年間2位の強豪、千葉ジェッツに73-109で敗れたものの健闘した。河村自身も21得点10アシストと大活躍を見せ、Bリーグ関係者の評価はさらに高まった。

 その結果、満22歳以下で能力を認められれば大学、高校に所属したままBリーグでプレーできる特別指定選手として、三遠への入団が決定。3カ月のアマチュア契約を結んだ。

 今年1月25日、18歳8カ月23日で迎えたBリーグデビュー戦の相手も、千葉だった。河村は途中出場で計22分プレーし、8得点3アシスト。全日本選手権に続き同じポジションで相対した日本代表の司令塔、富樫勇樹(26)は「素晴らしいものを持っているなと思う。バスケットボールのIQが本当に高い選手」と賛辞を惜しまない。

 デビュー3戦目となる1月29日の新潟アルビレックスBB戦からは先発の座も確保し、2桁得点をキープ。早くもチームの中心選手としての存在感を放っている。

「もっと良くなる

 河村への注目度の高さは観客数にも表れている。三遠は2月2日の宇都宮ブレックス戦で、Bリーグ参入4季目でホーム試合過去最多の入場者数4722人を記録。8、9日の滋賀戦は当初の予定から数百席を増席したが、チケットは前売り段階で早々と完売した。

 もちろん、課題もある。今季の三遠はこれまでのところ3勝32敗で、河村加入後も全敗が続いている。司令塔としてなんとしてでもチームを勝利に導きたいところだ。ただ、河村自身は「まだチームメートとの連係がちぐはぐな部分があるが、試合を重ねていけば自分も周りの選手ももっとやりやすくなるはず」と自信は揺らいでいない。

 河村が三遠でプレーするのは3月まで。4月からは全日本大学選手権優勝5回の強豪、東海大に進学する。その後は-。米国・NBAのウィザーズで活躍する八村塁(22)との日本代表での共演、さらにはNBAでの対決も視野に入る。

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