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【田村秀男のお金は知っている】新型コロナウイルスによる経済打撃…この際、覚悟を決めて脱中国と日本回帰を実現すべき

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 中国湖北省武漢市発の新型コロナウイルスの猛威は衰えず、中国の多くの工場が春節休暇後も生産再開に手間取り、自動車部品などのサプライチェーンを寸断しつつある。各国の景気への影響が懸念されるが、冷静に考える必要がある。

 ポイントは新型ウイルスの感染拡大はいつまで続くかだ。17年前の重症急性呼吸器症候群(SARS)は発症から8カ月間で終息した。今回も同様なら、7月までは伝染が収まらないことになる。危機管理にたけた日本企業は当面、部品調達の代替源を何とか確保するだろうが、この際、覚悟を決めて脱中国と本国回帰を実現する好機とすべきだろう。

 中国人旅行客による消費の落ち込みが国内各地の打撃となっているが、コロナウイルスの侵入阻止が何よりも優先する。中国からの人の受け入れは米国並みに厳しく制限しないと、夏の東京五輪開催が危うくなる。そのほうが当面の消費減よりもはるかに経済面でも被害甚大になるだろう。安倍晋三政権はその点、トランプ政権に見習うべきだ。無論、4月にも予定される中国の習近平国家主席の国賓待遇の来日どころではないはずだ。

 7月といえば、米大統領選で再選を狙うトランプ大統領に対抗する民主党候補が決まる。予備選は混戦模様で民主党内は分裂し、トランプ再選を阻止できるほどの強力候補の登場は見通せない。それでもトランプ氏にとってマイナスになりうるのは米国経済情勢が急速に悪化した場合である。

 米景気を左右する鍵は米株価が握っている。新型ウイルスによる米株価への影響はこれまでのところほんの一瞬にとどまっている。ダウ工業株30種平均は1月末に同月の最高値に比べて1・6%程度下げた後、以前の水準まで戻した。堅調さは相変わらずのようだ。

 グラフは日銀と米連邦準備制度理事会(FRB)が発行する資金量(残高ベース)と日経平均株価およびダウ工業株30種平均について2012年12月時点を100とする指数に直して、対比させている。

 米国株はもちろんドルで売買されるが、FRBによるドル資金供給は15年3月末の4兆ドル余りをピークに19年末は3・5兆ドルと減ったが、ダウ平均はこの間6割上昇した。グローバルな金融システムの下、FRBが追加しなくても海外からいくらでもニューヨーク市場にドルが入ってくる。

 日銀は19年12月末、アベノミクスが始まった12年12月末の3・9倍の円資金を発行した。増加額は381兆円に上る。日銀資金を受け取る日本の銀行(邦銀)の対外融資は19年9月末時点で4・3兆ドル、12年末に比べて1・4兆ドル(約150兆円)増えた。

 日銀マネーは新型ウイルスによる米株価への脅威を吹き飛ばし、トランプ再選を支える影の胴元となる。とはいえ、肝心の日本経済への貢献は弱々しい。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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