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全豪車いすテニス王者・国枝慎吾、東京パラへ懸ける思い

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「チームパラリンピックジャパン」の結成記者発表会に出席し、意気込みを語った国枝慎吾=2月7日
「チームパラリンピックジャパン」の結成記者発表会に出席し、意気込みを語った国枝慎吾=2月7日
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 車いすテニスの国枝慎吾(ユニクロ)はまさに、パラスポーツ界を代表するスターである。2日に閉幕した全豪オープン車いすの部で2年ぶり10度目の優勝を果たした35歳。7日に行われた2020年東京パラリンピック200日前の会見にも駆けつけ、周囲の高い期待に応える自信と覚悟を感じさせた。(運動部 西沢綾里)

 9歳の時に脊髄腫瘍のため車いす生活になり、11歳から競技を始めた国枝。健常者の友人とスポーツを楽しむことで自然に身についた「車いす操作」が、勝利を支える最大の武器だ。全豪オープン決勝でも、左利きの28歳ゴードン・リード(英国)が放つ強打にしぶとく食らいつき、相手を憔(しょう)悴(すい)させるロングラリーで接戦をものにした。

 何より、04年アテネパラリンピックの男子ダブルスで金メダルを獲得し、06年に初めて世界ランキングトップの座に就いてから第一線で戦い続けること自体、並大抵ではない。12年ごろから右肘に痛みを抱えてきた道のりは決して順風満帆ではなく、16年リオデジャネイロパラ後には右肘を手術。半年以上もツアーを離れる苦しさを味わった。

 1992年バルセロナ五輪女子シングルス代表の遠藤愛氏(自己最高世界ランキング26位)は、今回の全豪で勝利した国枝について「元世界ランキング1位の大坂なおみと同様、彼の強さは研究し尽されているもの。手術もあり、正直、もう一度四大大会で勝つのは苦しいのではと思っていたが…」とした上で、「フォームの改造や車いす操作の強化を重ねて能力を向上させている。その姿はアスリートそのもの」とたたえた。

 そんな国枝が全豪オープン後に国内で姿を見せたのは、日本選手団と応援する人が一丸となって東京パラを盛り上げる「チームパラリンピックジャパン」の記者発表会だった。

 スローガンの「超えろ、みんなで。」にちなんで、今超えるべきものを聞かれた国枝は「自分自身」と即答し、「自分のレベル向上が(パラでの)金メダルにつながる。見に来てくださる方の予想を上回るプレーを見せたい」と力を込めた。

 かつて、男子テニス元世界ランキング1位のロジャー・フェデラー(スイス)に、日本の記者が「なぜ日本のテニス界には世界的な選手が出てこないのか」と質問したとき、フェデラーが「何を言っているんだ。日本には国枝がいるじゃないか」と返したというのは、よく知られた話。パラリンピックの枠を超え、世界に誇れる日本のアスリートは、いまこの瞬間も進化し続けている。

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