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松田の記録は破られるのか マラソン代表最終決戦、名古屋にワコール勢3人集結

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名古屋ウィメンズで五輪代表最後の1枠を狙う(左から)安藤友香、一山麻緒、福士加代子
名古屋ウィメンズで五輪代表最後の1枠を狙う(左から)安藤友香、一山麻緒、福士加代子

 東京五輪の女子マラソン代表の最後の切符をつかむのは誰か-。代表最後の1枠を懸けた「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ」の指定レースとして1月26日に行われた大阪国際女子マラソンで、松田瑞生(24)=ダイハツ=が2時間21分47秒で優勝。日本陸連の設定記録(2時間22分22秒)を突破し、最有力候補に躍り出た。代表争いの行方は、ファイナルチャレンジの最終レースとなる3月8日の名古屋ウィメンズマラソンで松田のタイムを上回る選手が出るかどうかに絞られている。 (丸山和郎)

目標は2時間21分30秒

 名古屋ウィメンズで注目されるのがワコール所属の3人だ。昨年9月のMGCにも出場した安藤友香(25)、一山麻緒(22)に加え、大阪国際で途中棄権の判断をした福士加代子(37)がすでに名古屋へと気持ちを切り替え、練習を再開している。

 安藤は松田のタイムより速い2時間21分36秒の自己ベストを持つ。ワコールの永山忠幸監督(60)は「最初から2時間22分22秒ではなく、安藤の記録を上回る2時間21分30秒を目指そうと3人には話してきた」。ハイペースの展開を想定しながら、3人で競うように厳しい練習を積んでいる。

 3人の中で今、勢いがあるのが一山だ。2月2日の香川・丸亀国際ハーフでも自己ベスト更新はならなかったが、名古屋ウィメンズを意識しながら前半は果敢に飛ばした。MGCでも序盤は先頭集団を引っ張るなど積極性が持ち味。大阪国際は福士の応援を兼ねて現場で観戦し、松田の走りに大きな刺激を受けたという。「2時間20分台でゴールしちゃうんじゃないかと思ったけど、結果的には21分47秒だったので、まだ自分も可能性はゼロじゃないと思った」。若さを武器に、松田のタイムに挑んでいく覚悟だ。

 腕の振りが小さい独特のフォームが「忍者走り」と称される安藤は、松田のタイムを上回る自己記録を持つ唯一の現役選手だ。何より、そのタイムをたたき出したのが2017年の名古屋ウィメンズ。初めての五輪代表の座は、同じコースで3年前の走りを再現できるかどうかにかかっている。18年以降はマラソンで思うような結果を残せていないが、昨年2月にワコールに移籍し一山らと一緒に練習する環境が整ったことで、東京五輪への思いも新たにしている。

 五輪へのこだわりをみせているのはベテランの福士も同じ。大阪国際では25キロすぎに優勝は難しいと判断し、ダメージを抑えるために自ら棄権した。ただ、「速いスピードの緊張の中で走るのは楽しいと気づいた」とも振り返っている。まさにファイナルチャレンジの思いで、名古屋で再びスピードレースに挑む。

松田の先輩も参戦か

 松田のチームメートでもある28歳の前田彩里(28)=ダイハツ=も名古屋ウィメンズへの出場が見込まれる一人だ。

 15年の名古屋では途中で転倒しながら2時間22分48秒の自己ベストをマークした。名古屋は過去3回走った経験があり、コースも熟知。何より後輩の松田の活躍が刺激になっているのは間違いない。五輪代表になることは、大学時代に亡くなった父親の節夫さんと交わした約束でもある。MGCは出場権を獲得しながら故障の影響で欠場しただけに、どれだけ万全の状態でスタートラインに立てるかだ。

 名古屋ウィメンズには他にも、MGCに出場した岩出玲亜(25)=アンダーアーマー=や野上恵子(34)=十八銀行、上原美幸(24)=第一生命グループ=ら有力選手が多くエントリーするとみられる。名古屋は大阪国際と同様にコースの高低差が少なく、好タイムが生まれやすいのも特徴。松田の2時間21分47秒をターゲットに、序盤から今回の大阪国際に似たハイペースでレースが展開するのは必至だ。

 松田は名古屋の結果を待つ身になるが、大阪国際のレース後には「このタイムを抜ける選手はいないと思う」と自信ものぞかせた。大阪国際は気象条件に恵まれたレースでもあり、当日の気温や風向きがタイムにも大きな影響を及ぼす。果たして、3月8日の名古屋では選手にどんな風が吹くか-。五輪代表の行方を占う目が離せないレースになる。

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