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J1歴代最多185得点の大久保嘉人、新天地で目指す名門と自身の再生

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J2の東京Vで名門と自身の再生を目指す大久保嘉人
J2の東京Vで名門と自身の再生を目指す大久保嘉人

 サッカーのJ1で歴代最多の185得点を誇るFW大久保嘉人が今季、新天地で再起を図る。昨季まで所属した磐田からの移籍先に選んだのは、1993年のJリーグ元年から連覇を果たしながら2008年を最後にJ1から遠ざかるJ2の東京V。1月20日に都内で開かれた新体制発表会見で「絶対J1へ昇格できるように頑張る」と誓った37歳のストライカーは、23日に迫ったJ2開幕を心待ちにしている。

 新体制発表会見に駆け付けたサポーターのお目当ては大久保だった。伝統の緑のユニホームを身にまとった歴戦のベテランが姿を現すと、ひときわ大きな歓声が上がる。1月19日に国士舘大を川崎市内に迎えて行なわれた今季初の練習試合は、約1500人のサポーターが観戦。大久保も出場し、長崎・国見高の先輩でもある永井監督は「(観客の)半分は大久保のおかげかもしれない」と持ち上げた。

 川崎でプレーした13~15年に26、18、23ゴールを挙げて3年連続の得点王に輝いた。16年も15得点をマークしたが、熱心な誘いに応じてFC東京へ移籍した17年は8得点と失速。川崎に復帰した18年はシーズン中に磐田へ移籍して計5得点、昨季は1得点と存在感を失った。とりわけ昨季、磐田をJ1残留へ導けなかったことは、輝かしいキャリアの汚点となってしまった。

 年齢的な衰えはあるだろう。ただ、ゴールを量産した川崎時代は経験に裏打ちされた巧みなポジショニングとゴールへの嗅覚を武器とし、味方からボールを引き出すうまさが際立っていた。個人の能力で圧倒するスタイルではなくなった以上、東京Vでの活躍にも周囲との連係が不可欠だ。言い換えれば周囲の特徴をつかみ、周囲にも自身の特徴をつかんでもらえれば十分に戦える。

 再起を図るのに東京V以上のクラブはないかもしれない。創設50周年の節目だった昨季、竹本一彦ゼネラルマネジャーが「目標はJ1昇格しかない」と覚悟を示して臨みながら13位に沈んだ。新たな50年へ向かう今季こそJ1昇格というクラブの思いは強く、選手としてJリーグ元年からの連覇に貢献した永井監督は「J1チャンピオンに早く戻り、世界を目指すために一枚岩になる」と力を込める。

 Jリーグ元年の開幕時に10歳だった大久保は、移籍を発表した際にクラブを通じて「誰もが憧れたヴェルディは憎らしいほど強く、サッカー少年だった自分の心をいつもワクワクさせてくれた」とコメント。苦しむ名門を復活へと導くというシナリオは、自身再生へのモチベーションにもつながるだろう。

 サッカーを楽しみ、貪欲にゴールを求める姿勢は失っていない。日本サッカー界が生んだ最高傑作の一人に、名門復活の主役ほどうってつけな役回りもない。(運動部 奥山次郎)

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