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【プールサイド】入江陵介、4度目五輪へ好調維持 環境変化が奏功 

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 男子100メートル背泳ぎを52秒59で優勝した入江陵介。拠点を変え、好調を維持している=1月24日、東京辰巳国際水泳場
 男子100メートル背泳ぎを52秒59で優勝した入江陵介。拠点を変え、好調を維持している=1月24日、東京辰巳国際水泳場
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 柔らかな表情が、練習の充実ぶりを物語っていた。1月26日まで行われた競泳の北島康介杯男子100メートル背泳ぎで入江陵介(イトマン東進)が、2009年に自身が樹立した日本記録まで0秒35まで迫る52秒59をマーク。4度目の五輪出場へ向けて着々とギアを上げている。

 五輪イヤー最初の国内レースで存在感を放った。序盤から頭一つ抜け出すと、後半も勢いは衰えない。2位に2秒近く差をつけての圧勝だった。昨夏の世界選手権なら銀メダル相当の好タイム。前週に行われたチャンピオンズシリーズ北京大会でも52秒台に乗せていた。強化期間中の好記録連発に「現時点では満足できる。1月のこの時期に52秒5を出すのは大きい」とうなずいた。

 好調の要因に環境の変化を挙げる。五輪の前哨戦だった昨夏の世界選手権は100メートル背泳ぎで6位、200メートル背泳ぎで5位に終わった。「はいつくばってでも上に行く」。レース後の言葉通り、大会後には「弱いところを徹底的に見直す」意味で拠点を日本に移した。

 メダル争いに絡めなかった16年リオデジャネイロ五輪後、入江は17年に練習拠点を米国へ移した。昨年は日本での練習も取り入れていたが、世界選手権の結果を受けて完全に拠点をシフト。米国での指導経験もある石松正考コーチのもとで研鑽(けんさん)を積む。

 見直したのは陸上トレーニングだった。米国では1人で取り組んでいたため、「自分の癖があったりして、左右のバランスが崩れていた」。泳ぎにも微妙にズレが生まれ、「左の腰が常に落ちて、それを戻す時間がかかって右手が変になってしまっていた」という。

 今は個人トレーナーをつけ、逐一指摘をもらいながらトレーニングを行う。「細かい修正がはまりつつあるけど、まだ100%じゃない。泳いでいても気持ち悪いなと思うところがある中でいいタイムが出ているので、まだまだ修正できるところがある」

 16歳で初めて日の丸を背負ってから、代表歴は昨年で14年目を迎えた。練習環境を変えたことへの不安もあった中、「やってきたことが間違ってなかったと思えたことが一番大きい」と入江は言う。1月24日に30歳となったが、まだまだ伸びしろは計り知れない。

 東京五輪では、3個のメダルを獲得した12年ロンドン五輪以来となるメダル獲得を目指す。代表選考会を兼ねる4月の日本選手権では、自身が19歳の時に出した日本記録更新を視野に入れる。

 「この記録で満足してはいけないと思う。五輪まではずっと、満足しない自分でいたい」。勝負の2020年。最高のスタートを切った背泳ぎの第一人者に、もう迷いはない。(運動部 川峯千尋)

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