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もう一つのプロ野球のe日本シリーズ 有料席完売、優勝報酬は1400万円

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「eBASEBALLプロリーグ」のe日本シリーズの試合の様子=東京都中央区(神田さやか撮影)
「eBASEBALLプロリーグ」のe日本シリーズの試合の様子=東京都中央区(神田さやか撮影)
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 プロ野球のeスポーツリーグ「eBASEBALLプロリーグ」は1月25日、東京都内で「SMBCe日本シリーズ」が行われ、巨人が“初の日本一”に輝いた。同リーグは今季で2年目。インターネット配信動画の視聴数が倍増するなど、着実にファンを増やしている。

 同リーグは、日本野球機構(NPB)とゲームソフト会社「コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)」の共同開催。家庭用ゲーム「実況パワフルプロ野球(パワプロ)」を使用し、現実のプロ野球と同様に12球団でペナントレースを戦う。

 各球団の代表選手は4人。昨年11月から21試合を戦い、各リーグの上位3チームが今年1月18、19日に行われたeクライマックシリーズ(CS)に進出した。CSを勝ち上がってきたのは、セ・リーグは2位の巨人、パ・リーグは優勝したロッテ。e日本シリーズは2戦先勝の3試合制で行われ、3イニング毎にゲームプレーヤーが交代した。

 今季からOB選手の起用も可能になり、第1戦で、巨人は王貞治選手を「4番・一塁」で起用。王選手の適時打もあり、巨人が3-1で先勝した。続く第2戦は、ロッテが八回に2点差を追いつき、無死一、二塁からのタイブレーク方式の延長戦に突入。延長十回、巨人が3点を挙げて勝ち越しに成功し、6-3で逃げ切って日本一に輝いた。

 本塁打王と打点王を獲得し、最優秀選手(MVP)に選ばれた巨人の主将、舘野弘樹は「日本一が決まった瞬間はうれしかった。4人全員の力で勝てた」と喜びを語った。舘野は通常、盗塁やバントなど小技は一切、使わないプレースタイルだが、e日本シリーズでは送りバントをするなど、勝利への執念も見せた。「自分のプライドは捨てて、チームプレーに徹した」と振り返った。

 また、巨人の代表選手で球団職員でもある坂東秀憲は「(昨年10月の)実際の日本シリーズは球場で見ていて、悔しい思いをしたので、パ・リーグには絶対に勝ちたかった。(今季の巨人の日本一に向けて)いい弾みになったと思う」と胸を張った。優勝報酬は1400万円。1人350万円の使いみちについて、坂東は「『巨人軍は紳士たれ』なので、いいスーツを買おうかな」と話した。

 同リーグの注目度は、確実に高まっている。今季のインターネット配信動画の視聴数は延べ580万回を超え、昨季の約270万回に比べて倍増。今季の「e日本シリーズ」では、会場に設けられた50席の有料席(1500円)は完売し、東京・豊洲で開催された無料のパブリックビューイングには約200人が訪れ、声援を送った。さらに、約1万6000人がインターネットのライブ中継でこの試合の行方を見守った。

 今後は、これらのファンを実際のプロ野球ファンへと取り込んでいくことも課題となる。同リーグ応援監督で、元ヤクルト監督の真中満氏は「eスポーツの選手が、2月のプロ野球のキャンプに合流するなどリンクすれば、ファンにも伝わるかもしれない」と提案した。同リーグは、来季も開催が決定。オフシーズンは、もう一つの“プロ野球”で盛り上がりそうだ。(運動部 神田さやか)

 【eスポーツ】

 「エレクトロニック・スポーツ」の略。対戦型ゲームをスポーツ競技としてとらえ、勝敗を競う。2018年のジャカルタ(インドネシア)で開催された「アジア競技大会」ではデモンストレーション競技として実施。昨秋の茨城国体でも文化プログラムとして採用されるなど、注目が高まっている。

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